×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

【参加式】サルベージ小説スレ【三度目】
1 名前:代理 :2006/06/30(金) 22:42:34.69 ID:aoOSMfLY0
どうぞ

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:43:07.75 ID:2gZMgk6k0
うし、がんばるぞ

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:43:32.83 ID:sWcmwJ/b0
wktk

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:44:31.52 ID:SVP+AO8H0
4gt

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:44:53.22 ID:rbyk8AVd0
ktkr

ktkr

ktkr

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:45:44.51 ID:fJUIWE580
あれ?開催金曜だっけ……
まあいいや

wktk

7 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/06/30(金) 22:46:00.63 ID:2gZMgk6k0
今日こそは……今日こそはッ!

8 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/06/30(金) 22:46:56.61 ID:2gZMgk6k0
>>6
土曜より人の集まりがいいんだよねぇ……やむなく変更だよ

あらすじ漫画


過去ログ準備中

9 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/06/30(金) 22:52:50.57 ID:2gZMgk6k0
今日駄目やったらとないぬ板でまったりやりますよ(;´Д`)
どきどきの……三度目の正直じゃぁ

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 22:53:39.50 ID:fJUIWE580
>>9
2度あることは3度あるから怖いんだぜ?
今日も落ちてたし……

11 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/06/30(金) 22:55:05.55 ID:2gZMgk6k0
>>10
(;´Д`)
そうはあって欲しくないものだな……

とりあえず過去ログ
http://uploaderlink.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/512kb/src/up12234.zip.html

12 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 22:57:27.75 ID:SVP+AO8H0
お手伝いのかしわんこです。
ちょっとしたSSを投下しますんで、サルベージ開始までそれを読んで待っててくださいな。

13 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/06/30(金) 22:57:54.82 ID:2gZMgk6k0
もう解ってるとは思うけど、今日は協力者とのコラボなのですが、っと
後は投下を待つ!

14 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 22:59:42.63 ID:SVP+AO8H0
――red fracftion――


 全ての攻撃は予見されていた。
 RAYに満ちる情報を読み、参照し、異変を感知する。
「仕掛ける場所が浅いわね」
 大きな耳をくりくりと動かし、その長い尻尾を怠惰に振りながら、白山菊理はRAY内を探索していた。
 視覚化された空間は無機質な光に満ちていて、広大な空間に佇立するオブジェクトの間を不気味な静寂が支配していた。
 唐突に菊理の後方で光が弾ける。
 光の中から現れたのは攻撃型の敵性プログラムだった。赤い蜘蛛のような姿に視覚化されたそれが菊理めがけて突進してくる。
 その周りでは次々に光が瞬き、敵性プログラムが出現し、電撃的に動き出す。
「――ほらきたっ!」
 瞬時に反応した菊理は突き進んでくる蜘蛛に対して手をかざすと、
「アサルトコード!」
 攻撃用のプログラムを走らせた。
 手の周りに赤い光として視覚化されたそれで、蜘蛛を受け止める。
 光に触れた蜘蛛は手のひらに触れる寸前でその形を崩し、砂のように吹き飛んで意味の無いコードへと分解される。
 襲い掛かる蜘蛛の大群を両手で握りつぶしつつ、後方へ飛ぶようにして移動。
 受け切れなかった蜘蛛が腕の間をすり抜け、胸に取り付こうとする。
 しかしそれも身体に触れる寸前で保護用に走らせておいたコードに弾かれ吹き飛ぶ。
 保護用のコードは触れた蜘蛛の情報を読み込み、防御用のプログラムへと送る。防御用プログラムはその情報を元に自己改変を行い自らを強化した。
「こいつら弱いけれど」乱雑に設置されているビルのようなオブジェクトの間を飛び抜ける。「……だめ。ここら一帯汚染されてる」
 蜘蛛の相手をしながらも、菊理はRAYの情報を読んでいた。
 この一帯には無数のトラップコードや攻撃用のプログラムが仕込まれており、本来のデータは修復が困難なほどに粉砕されていた。
 物理法則を改変し、ビルの壁面を走り、尚も襲い掛かる蜘蛛から距離をとる。
「ディストラクションコード、スタンバイ」
 オブジェクトの間を飛びまわり情報を集め、汚染区画の範囲をある程度特定し、使用コードの規模を設定する。
 コードの設定を進めていると、前方のオブジェクトが突如として轟音と共に崩れ落ちた。

15 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:00:38.92 ID:SVP+AO8H0
 その向こうから見えたのは、
「うわあっ! うそでしょ!」
 巨大な蜘蛛だった。
 よく見るとそれは小型の蜘蛛が無数に集まって構成されており、それらをリアルタイムで分解、改変することで自らを構築していた。
 その登場があまりにも急だったために、菊理はそれを避けきれずに巨大蜘蛛の上へと着地した。
 足元で保護用コードが展開し、崩れた蜘蛛の表皮を砂のように巻き上げて走る。
 何割かは保護用コードの対応が間に合わずに、それをすり抜けた攻勢プログラムが防御用プログラムに阻まれる。
「うわあー、なにこのプログラム。趣味悪うー!」
 菊理は足をとられながらも巨大蜘蛛の背を渡りきり、後方へと着地する。
 巨大蜘蛛の動きは緩慢で、落ち着いて対処すればなんとか――
「――くっ!」
 着地したのと同時に、巨大蜘蛛の腹から視覚化された攻撃用のコードが飛来した。
 反応の遅れた菊理は腕でそれを防御する。
 コード同士がぶつかり、炸裂し、光として視覚化される。
 それは保護コードがを瞬時に分解して、防御プログラムを崩しにかかった。
 こちらの情報を読まれている!
 先ほどの背渡りの際にこちら側と接触した蜘蛛は、コードやプログラムを読んで、自らの攻撃用プログラムを改変していたのだ。
 このまま続けて攻撃を喰らうのはマズイ。
 菊理はその場から飛びのき、オブジェクトを盾に蜘蛛からの距離をとる。
 しかし俊敏な動作で蜘蛛はオブジェクトを破壊しながら菊理を追ってきた。改変スピードが速い!
 咄嗟にディストラクションコードのレヴェルを2段階引き上げ、崩壊因子を放出する。
「まにあって!」
 因子をばら撒きつつビルの間を飛びまわる菊理。RAY内を破壊しながら菊理を追う巨大蜘蛛。
 徐々に差が縮まり、菊理を射程に捉えた蜘蛛は滅茶苦茶な量の攻撃コードを放出、それらがいっせいに菊理へと襲い掛かる。

16 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:01:34.95 ID:SVP+AO8H0
「RUN!」
 それらが目前に迫ったところで菊理はディストラクションコードを実行した。
 RAY内に割り込ませた崩壊因子が空間を構築する情報に干渉し、出鱈目なコードをそれに上書きする。
 崩壊因子に干渉された蜘蛛は瞬間的に分解を開始した。
 重い音をたてて胴体が分断され、脚部がバラバラに砕け、攻撃用コードが霞に消える。
 しかし強力なコードの威力はそれでも止まらずに、RAYをも侵食し始める。
「わわわわわっ! や、ヤバイかもー!」
 崩壊因子に耐えられなかったオブジェクトが崩壊をはじめ、空間が融けるように湾曲する。
 もっと強固なシステムを組んでおいてよねもう! こんなひ弱な構成だから乗っ取られるのよ!
 心の中でRAYの構築者に対して罵倒の文句を叫んだ。
 崩壊に呑み込まれないように、必死で安全圏へと退避する。
 もう一つ下のレヴェルのコードを使ってもよかったかもしれない。
 いくら汚染されていたとはいえ、ここまでRAYを滅茶苦茶にしてしまって大丈夫だったのだろうか? ちゃんと報酬は出るのだろうか?
 小さなコードの集合へと崩れ行く空間を背にして菊理はRAYの更なる奥へと向かった。

「大丈夫、私は仕事をこなすだけ」


17 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:02:43.02 ID:SVP+AO8H0
――spin――


 足跡ははっきりと読めた。
 その後もいくつかの区画をめぐり、RAY内に刻まれた情報の齟齬や変化を読み込み、それをたどって対象を捜索する。
 RAY内に点在する足跡は極々簡単な隠匿処理しかされておらず、辿るのは簡単だった。
「それほど自信があるのか、それともただ単にマヌケなだけなのか……」
 今回の依頼内容は『ネットワーク内への侵入者の排除』である。
 このRAY内に潜んでいる対象はネットワークに対する破壊活動を行っており、クライアントに多大な損失を与えていた。
 その攻撃による被害は緩慢に、しかし確実にネットワークに広がった。
 企業側の初期対応は迅速だったようで、すでに数人の潜行技師がRAY内に潜行し対象と接触していた。しかし対象からの攻撃によって、彼らはことごとく回線を切断され、送り返されたのだ。
 その間も侵食は続き、ネットワークの隔離にてこずっていたことも重なり、被害規模は思いがけず大きな物となっていた。
 事態は急を要し、一般の潜行技師では対処しかねると見た企業は、ウェイヴライダーである菊理に今回のオペレーションを依頼してきたのだ。
 先にRAYへ潜行、対敵した潜行技師達から得た情報によると、
『捕縛はできるが背後の情報を読めない』
『侵食性の高い攻撃を仕掛けてくる』
『対象は小さな子供の姿をしていた』
 ということであった。
 その情報に、菊理は違和感を感じた。
 対象が小さな子供? まさか……どうせ偽装せしょ?
 RAY内では自分の視覚イメージを偽装することはさほど難しくは無いが、それはその分の無駄な処理を行うということである。
 どんなに巧妙に偽装しても、ある程度の経験とスキルのある潜行技師にかかれば即座にバレる。
 RAY内で一番目立つのは"無駄な物"なのだ。こと合理性優先で構築されている公共や企業のRAYではそれが露骨に違和感を訴えるのだ。
 しかし先に潜っていた技師達は口を揃えて「偽装だとは思えない」という意見を述べた。
 そんなはずは無い、と菊理は思った。先行の技師達は対象に破れこそしたものの、彼らの持つスキルはかなり高レヴェルだ。
 彼らの技術や経験則を持ってしてまでも、暴くことが不可能なほどの高度な偽装なのか。
 はたまた対象は"本当に"子供であるか。
 二つに一つ。しかしどちらにしても怪しすぎる。

18 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:03:44.15 ID:SVP+AO8H0
 RAY内においての視覚的な偽装は往々にして無意味だ。もし本当に子供だとしても、複数の潜行技師に打ち勝つほどの技術とセンスを持つ者など居るはずが無い。
「どちらにしても」足跡を辿りながら森のような区画を飛び回る。「私がとっちめてやるんだから」
 徐々に足跡の情報が新しいものへと変わってきていた。
 尻尾をぷらぷらと左右に振りながら隠匿された情報を読み取る。
「どうやらこの近くね……」
 広葉樹のようなオブジェクトが一帯を埋め尽くしてさながら樹海の様相を呈していた。
「なによこれ」見回す。「ここら一帯のRAYが改変されてる」
 辺りを覆いつくす歪な木々は殆ど意味を持たず、名の通りのオブジェクトだった。その改変は近隣の区画にも及んでいる。
 ことごとく改変されたRAYには改変前のプログラムが塵のようなコードになって散らばっていた。
 しかし情報は読める。相変わらず分りやすいところに埋め込まれているトラップコードにかからないよう、安全な道を通って探索。
「ようし……たぶんこの近くに――」
 真新しい情報の改変跡を見つけ、それを読んでいたときだった。
「めっけ!」
 RAYが揺らいだ。その揺らぎの先に人影を確認する。
 人影は急速に移動を開始する。しかし追いつけない速さではない。
 即座に跡を追う菊理に対して、対象は次々にトラップを埋めながら逃亡する。
 発動したトラップは威力が弱く、殆どが保護コードに阻まれる。菊理はトラップを払いのけながら、木の幹を蹴り、土を巻き上げて加速。
 曲がりくねった木々は残像になって流れ、世界が緑色に融けていく。
 大きな耳で周囲の状況をうかがい、尻尾は舵をとるように。一匹の猫は眼前の獲物を追い求めて樹海を駆け抜ける。
「大人しく――」
 指向性のアサルトコードを呼び出す。目標が残した情報を拾い、セット。
「捕まんなさいっ!」
 放られたそれは赤い矢に視覚化され、対象を捉えるべく猛然と木々の間を突き進んでいく。
 そして対象に接触、実行。
 捕縛用のコードを埋め込んだアサルトコードは対象の移動を制限し、その場へと固定する。
 菊理もすぐにその場へと追いついた。

19 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:05:04.58 ID:SVP+AO8H0
「さあ、観念しなさい」
 小学生くらいの男の子だった。
「情報損壊、ネットワークへの破壊活動――」
 平静を装う菊理だが、内心かなり動揺していた。
「――に対しての妨害で、あなたを拘束します」
 この姿は偽装ではない。
 ウェイブライダーともなれば視覚的な偽装は100%といっていいほど見抜けるものだ。
 しかしこの子供からは偽装情報は見受けられず、だいいち偽装している素振りが"全く無い"のだ。
「う……あ、くう」子供は必死に束縛用のコードから逃れようとしている。「うう、あぐ」
 その眼には明らかな脅えがあった。
「自衛軍第三特殊情報戦仕込みのコードよ。あがいても無駄。この間の訓練でサプライしてもらった最新式なんだから」
 少し得意げな菊理は、対象の潜行元を探るためのツールを呼び出す。
「やだ……もう閉じ込められるのは」
 右手で光が弾け、五指から青い"蛇"が伸びた。うごめくそれを少年の首にかける。
「閉じ込めたりはしないわ。ただあなたの隠れ家を探るだけ」蛇が少年に絡みつき、情報を探る。
「やだ……せっかく自由になれたのに……」今にも泣き出しそうな、悲壮が漂う表情を浮かべる少年。
「何を言ってるの? いくらRAY内を自由に泳げるからって人様にめいわ――」

 読めなかった。
 
 少年がRAY内にアクセスしている経路を辿ろうとしたが、そのような情報が全く無かった。
 本来ならば表層を軽くさらうだけで、アクセス経路や暗号方式の大まかな把握ができるのだが、それが不可能だった。
 情報を完全に隠匿することはウェイヴライダーでさえも不可能だ。必ずどこかに外部への情報の流れが見つかるはず。
 しかし少年にはどこにも外部への経路が見当たらない。たとえリモートポイントを置いてECM(妨害)をかけていたとしても必ず形跡は見つかるはずなのに。
 この少年は完全に閉じている! 全くのスタンドアローンでRAY内に存在しているのだ! そんなバカな!
 そしてそれは論理的にありえないこと。

20 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:05:58.28 ID:SVP+AO8H0
「――うそ」菊理の表情が固まる。
 なおもツールは探索と解析を続けるが、侵入経路の情報は全くつかめない。
 そして解析を続けるうちにその少年に奇妙な、しかし"見慣れた"コードが散在していることに気づいた。

「軍用の……識別コード?」

 少年から流れ込んでくる情報は潜行技師のそれとは決定的に異なり。部分的にではあるが、ある種のプログラムが持つ特有のコードが確認された。 
「……だ」
 そこで菊理は気づく。
「……やだ」
 森のようなRAY内に満ちている特異なコードの存在に。
「いやだ」
 表層にばら撒かれたトラップコードが目隠しの役割をし、深層に埋め込まれたそれの活動を察知できずにいたのだ。
「もう閉じ込められるのは」
 それらの動きを感知したが、遅かった。
 コードは瞬時に表層に露出、展開した。
「いやだあっ!」


 世界が揺れ、そして崩壊する。


21 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:07:04.77 ID:SVP+AO8H0
――I never told you what I do for a liveing――


 崩壊は即座に広がった。
 森の木々が轟然とざわめきたったかと思った瞬間に、
「……なに、これ」
 重く低い爆発音のようなものがRAY全体を包んだ。
 そして"変革"に気をとられていた菊理にも異変が起こった。
 少年の首に巻きついていた解析ツールが瞬時に崩壊し、侵入してきた攻勢プログラムが保護コードや防御プログラムをもやすやすと打ち破って、菊理自身に攻撃を仕掛けてきたのだ。
 ファイアーウォールが敵の侵入を食い止めるが、膨大なその"流量"に予備メモリのキャパシティを喰われる。
 まるで身体をまさぐられるような恐怖に、一瞬我を忘れて悲鳴をあげた。
「うああっ!」
 少年に固着してしまったかのように貼り付いていた手を無理やりはがし、飛びのく。
 耳は閉じられ、尻尾の毛は全て逆立っていた。
 破壊されたSSDP(学習型防御プログラム)が猛然と自己修復を始める。侵入時の情報を加味して己を強化しつつ、変化するRAY内に合わせて再構築されていく。
 そのうちにも攻撃を受けたファイアーウォールは速やかに状態を安定させた。
 全てが必死だった。
 先ほどまでRAYを構築していた木のオブジェクトたちが、少年を中心に崩れだす。
 それは急速に伝播し、波紋が広がるように崩壊の渦を拡大して行った。
「うそ……TSP(戦域制圧プログラム)? でもこんな大規模な崩壊……違う、RAYが書き換えられてる」
 森は砕け、地面は黒い沼になり、暗い空は更なる暗黒に変わっていた。改変スピードが尋常ではない。
 これだけ巧妙で侵食率の高いTSPは個人で作成できるはずがない。このような大規模の改変は、極々限られた用途に限定されたプログラムでしか成しえない所業だ。
 あっけにとられる菊理の脳裏に最悪の答えが瞬く。

22 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:08:14.89 ID:SVP+AO8H0
「この子自身が、戦域制圧プログラムなの?」
 そう、目の前に居る少年。軍用の識別コードが埋め込まれ、スタンドアローンでRAY内に存在し、破壊活動とネットワークの制圧を行っている少年。
 彼は……否……"ソレ"はプログラムだったのだ。
「いやだ……僕は」
 少年はゆっくりと立ち上がる。すでにRAYは漆黒の世界に生まれ変わっていた。
「――っ!」
 RAYが揺らいだ。少年の背後で膨大な電子の嵐が渦巻き、情報が流れ出すのを察知した。

「僕は自由に生きるんだ! 僕はこんなところで死にたくない!」

 少年が吠え、攻撃用の多層プログラムが展開した。
 TSPやLAP(限定攻撃プログラム)を中心とした電子戦用のプログラムが数十種類。そして威力は低いが滅茶苦茶としかいいようのない、莫大な量のトラップや簡易攻撃コード。
 少年の背後に白い光として視覚化されたそれらは、まるで翼のようだった。
 強力なECM活動が開始され情報が撹乱される。
「ECCM(対妨害)! タイプ2セット!」
 即座にその動きを読み取った菊理はECCMプログラムを実行し、相手のECM活動を相殺する。完全にとはいかないがある程度の妨害は無効にできた。自衛軍で最新式にアップデートしておいて良かった、と心の隅で菊理は安堵の溜息をついた。
 しかし、気を抜いてはいられない。こちらもLAPを展開し設定を進める。この状況ではディストラクションコードを使用できそうにもない。
 RAY内はことごとく改変され、周囲の区画からは隔離されていた。かろうじて退路となるラインは断絶を免れたが、それもいつまで持つかは分らない。
 保護用のコードを最適化優先に書き換え、多層に渡って設置する。そしてこれも最適化優先にしたアサルトコードを両手に纏う。
「もういやだ」
 少年が宙に舞う。翼からトラップコードが零れ、光の粒子となって周囲にばら撒かれた。
 LAPのコードが菊理の情報を読み込もうとする。負けじと防御プログラムも自己改変を加速させて対処する。
「またなにか、くる!」
 RAYの"空気"が雑然とそ姿を変えつつあった。いち早く察知した菊理は地を蹴り飛翔する。
 漆黒に凪いだ沼のような地面が振るえ、巨大な塔が次々に突き出てくる。さながら高層ビルが地面から生えてくるようだった。
 単なるオブジェクトに見えるが、実態は変動性の高い攻撃用プログラムの集合であり、その全てが少年にリンクしていた。

23 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:09:44.72 ID:SVP+AO8H0
「僕の……」少年の翼がにわかに煌き、「邪魔をするなあっ!」電子が奔った。
 空間に迸る実行コードがオブジェクトを起動させる。
 眼を覚ましたオブジェクトの表皮から無数の赤い触手がうごめき、緩慢な動作で菊理を捉えようとする。
 RAYを泳ぎ触手から逃れるが、加速する菊理を追うように触手もまた加速を始める。
「TSP! 限定モード!」
 オブジェクトの間を高速で移動しながらランチャを起動。TSPを呼び出して実行する。
 極々限られた条件を付加されたTSPはその攻撃特性をもって菊理を守る盾となった。
 襲い掛かる触手たちが瞬時に展開したプログラムに分解され、砕ける。次から次へと菊理の周りに張られたTSPに触手がぶつかり、円形の光を放って対消滅を繰り返す。
 そのままTSPを限定モードで走らせつつ、
「アサルトコード」
 一気に複数のコードを放出する。
 横に薙いだ手の軌跡が輝き、光の矢が大量に生まれ、少年を狙う。
 しかし、少年が緩やかに手を掲げると、即座に防御用のプログラムが走り、少年を保護する。
 プログラムに阻まれて砕けたアサルトコードからのインフォメーションを得ようとするが、
「ダメか!」
 掴めない。強固な防壁はやはり自衛軍式のものに酷似しており、その情報の断片は即座に自壊し意味のないコードへ変わっていた。
 ECMの嵐の中、少年が必死の形相でプログラムを放出する。その量たるや場合によってはRAY自体に影響を与えかねないものだった。
 総当り攻撃とも取れる絶大な流量によるネットワークの制圧。それは広域制圧用のプログラム独特の行動パターンだ。
 やはりあの少年はプログラムなのだと菊理は確信する。
 保護用コードを前面に展開し、コードの渦に突進する。訓練の通り、密度の薄いところを狙って突き進む。
 周囲ではまるで花火のように光が煌き、塵になったコードがRAYに霧散する。
 全てが高速の残像となり、菊理の処理能力を超えた情報の本流を他のプログラムがサポートする。
 まっすぐ、少年へと突き刺さるように接近。
「どうしてみんな僕を」
 少年の腕がコードを纏い光を帯びる。
「LAPスタンバイ!」
 LAPが光の剣として形成される。
「いじめるんだよ!」
「RUN!」

24 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:10:40.09 ID:SVP+AO8H0
 両者が激突しお互いを削る。
 電子が荒れ狂いコードが舞い散る。さまざまな処理が視覚化され、閃光と爆音がRAYを揺らす。
 SSDPの修復の隙を突いた攻勢プログラムが菊理に侵入し、出鱈目なコードを書き込んでオーバーフローさせようとする。
 ギリギリまで粘った菊理は大量のアサルトコードを放出しながら離脱する。
 相手側の防御を崩し、ある程度の対抗策を講じられるまでは情報を読めた。後は各プログラムに修正を加えて対応させる。
 ランチャから解析ツールを呼び出し、得た情報をぶち込む。
 ツールの処理を優先させるために他のプログラムの生成が追いつかない。鋭角な光の軌跡を残してRAYを高速移動、攻撃コードをかわし続ける。
「ここから」少年がLAPを呼び出し、実行する。「ここからでていけ!」
「っく!」
 高速で移動する菊理を的確に捉え、攻撃性の高いプログラムがRAYを貫くように猛進してくる。
「ぶざけるな」
 腕を一振りし、ストックしていたありったけの保護用コードと防御用プログラムを拡げて攻撃を迎え撃つ。
 少年の攻撃は保護用コードを瞬時に喰らいつくし、防御用プログラムを崩しにかかる。その間にも保護用コードは生成され出来上がった端から砕け散る。
 訓練では何度もこなしたシチュエイションだったが。今は実戦、それも絶対的に不利な状況である。菊理は緊張と僅かな恐怖に引きつった笑みを浮かべていた。
 生きる? 死にたくない? ふざけるんじゃないわよ。プログラムのくせに! ちょっと思考力が高いからってナメた台詞を吐くな!
 小さい頃に見たアニメーションに出てくる、CGの魔方陣のような光が眼前で炸裂する。
 弾かれた菊理は地面へと吸い込まれる。オブジェクトを背中で粉砕しながら見る見るうちに高度を下げ、衝突する直前で姿勢を転換。
 保護用コードが弾けて衝撃を緩和する。
 そこでようやく解析ツールが情報の解析を完了し、各プログラムに修正を施す。
「こ……んのぉっ!」
 菊理の瞳が怒りとも憎悪ともつかない色に燃え上がる。尻尾の毛はことごとく逆立ち、倍の太さに見えた。
 修正が完了して即座に、ランチャから手当たりしだいに電子戦用のプログラムを呼び出し、己に纏わせる。さながら赤く燃える法衣のよう。
「崩してやる!」


 武装した菊理は赤い光になって、少年を射抜かんとする。

25 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:11:58.27 ID:SVP+AO8H0
――End Of The Road――


 それが彼の最後だった。
 複数の電子戦用プログラムを纏った菊理は少年の攻撃に真っ向から相対し、それを貫く。
 ダメージは受けるものの、敵のプログラムは先ほどと比べれば全くといっていいほど効いていない。
 修正を施した保護用プログラムとTSPはほとんどの攻撃を砕き。道を切り開く。
「LAP!」
 情報を読み込み、相応体制に入ったLAPを両手に宿す。
 鬼の形相で突進してくる菊理に身体を硬直させた少年は逃げる間もなく、防御用プログラムで己を守ることが精一杯だった。
 剣のように視覚化されたLAPを逆手に持ち、勢いを殺さずに少年とぶつかる。
「ぅあぐ!」
 少年がうめく。
 情報を読んでいたLAPは何層にも重なった防御用プログラムをいとも簡単に貫いた。
 まばゆい光を発しながら少年の内部を崩壊へと導く。流れ込んでくる情報にはやはり、自衛軍の訓練で読んだことのあるコードが多数含まれていた。
 少年の武装が急速にその威力を失い、分解される。
 RAYとのリンクが解かれる。RAYが少年の操作から解放され、本来の姿に戻った。
 そこはただひたすら、青空が続いていた。
 蒼天の天球には雲ひとつ無く、リノリウムのような硬質で平坦な床が地平線まで続いている。
 LAPがその使命を遂行し、消滅する。
 少年は己を構築する情報の大部分を失っていたが、まだその形をとどめていた。
 二人は静かに、床に降り立つ。
 菊理は鋭い目つきで少年の情報を読んでいた。
 もしこの少年が自衛軍製のTSPの一種ならば、対処の仕方はある。訓練の時に教授してもらった方法で、少年にアクセスする。
 アクセスは成功。こちらの暗号鍵を認識した少年のメインフレームを開き武装を停止、全てを破棄する。

26 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:13:21.43 ID:SVP+AO8H0
「やめて……」少年がかすれた声を上げた。「殺さないで」
 少年は泣いていた。その顔は恐怖に脅える子供のそれでしかなく、それを見た菊理は一瞬喉をつまらせた。
「やめて……助けて」
 少年を構成する情報を次々にパージしていく。多分この少年は特殊電子戦の実験隊による試作プログラムなのだろう。所々、構造に穴が見受けられた。
 プログラムにある程度の思考力を持たせ、状況に合わせた兵装を使用し、単独で目的のネットワークを制圧できるようにした知能型TSP。
 それが何かのミスで一般のネットワークへ流出したのだろう。
 そして、涙を流し続ける少年を無力化していた菊理は、不可解なセクションを見つける。
「なに……この書式」
 少年の中核をなすセクションを分解しようとしたところだった。どうしても情報を読めない。
 プロテクトがかかっている様子はなく、比較的簡単にアクセスできるのだが、その情報の形態が把握できずにいた。
「違う……これ――」
 そして菊理は気づいた。
「人間?」
 少年がもつ情報は、潜行技師や一般のダイバーのそれと酷似していた。
 人間とプログラムの間にある決定的な違い、それがこの少年にある。
「たすけて……たすけて」
 菊理の思考がヒートする。
 確かに、この少年には自衛軍のプログラム識別コードが埋め込まれていた。それにこの装備は自衛軍のそれ。この子はプログラムだ。だけど何でこの子は――


「ころさないで」

27 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:15:35.98 ID:SVP+AO8H0
 その一言が、菊理の思考を沸騰させた。
 咄嗟にLAPを走らせ、少年に馬乗りになる。
「ふざけてんじゃないわよ!」突き刺す。
 少年が"苦痛"の声を上げるがそれでも菊理は止まらない。
「たかがプログラムのくせに! AIのくせに! ふざけたことぬかしてんじゃないわよ!」なりふり構わず少年を削る。
 菊理の脳裏には過去の光景が映し出されていた。
「あなたみたいなのが存在して良いわけない! プログラムなんかが意志を持とうなんて馬鹿な話あるか!」LAPの猛攻に少年は徐々に削れ。コードが光の塵となって舞う。
 事故によって戻ってこなくなった兄。
「良いわけないない! お兄ちゃんが"消えて"しまったのに、あなたが存在するなんて!」尻尾の毛は逆立ち、歯は砕けんばかりにかみ締められていた。
 兄が"消えた"サーバの閑散とした光景。
「ふざけるな! プログラムのくせに! 削れば砕けるコードの塊のくせに!」少年をまとめていた核が欠け、崩壊を始める。
 そこに大勢の人間が潜っていたなんてのが、まるで嘘のようにまっさらなRAY。
「あなたなんかが……!」

 最後の一振り。

 そして少年は死んだ。

 他のプログラム同様。意味の無いコードにまで散り散りになった少年のかけらは、無風のRAYに舞い上がり、消えてゆく。
 後に残ったのは菊理ただ一人。
 無機質な荒野に呆然と佇んでいた。
 通信が正常化した。外部に任務終了を伝える。
「状況終了。当該する"敵性プログラム"を排除。一部RAYの改変、崩壊が見られる。いったん戻ってから、復旧を開始したい」
 その顔は暗く。垂れ下がった尻尾と、力なく折れた耳には悲壮が満ちている。
 ランチャからTSPを呼び出し、出力を押さえて、RAYに放出する。
 それはまるで桜の花びらが舞うように、空間を鮮やかに彩った。
「これがせめてもの……弔いよ」


 真っ青なRAYの空を仰ぎ、呟いた。

28 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/06/30(金) 23:16:45.59 ID:SVP+AO8H0
――おしまい――

以上宣伝SSでした。


29 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:18:00.24 ID:ELRRq71F0
んじゃ、俺行きますね。

30 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:19:23.37 ID:ELRRq71F0
20世紀後半から広がりを見せたネットワークは、様々な通信手段を持ってその版図を広げ、
今まさに世界中、惑星を覆わんと衛星が繋ぐ電波が跋扈している訳だが。

物質の裏側の夢を見ることがある男、浦小道は第一級潜行士である。
彼は自身の情報を電子に乗せ、電覚を用いて距離を超越するダイバーの中でもずば抜けた能力を持つ国際資格を有する指折りのエリート……最古参であるのだが。
その実力は既に時代に取り残されており。
新たに台頭してきた新時代の潜行士にバトンを渡す時期に来ているといわれている。
しかし、彼の経験は世界中のどの潜行士よりも豊富であり。
いまだその展望に視界不良を多く残す電気潜行の分野においては、彼のその貴重な情報をなんらかの形で共有化し洗練された技能を受け継ごうと言う動きが出ていた。
長年の研究を著書に纏めるように。
その先人の集大成を紐解ける知識を持った達賢がどれ程いるかはさておき、ほとんど潜行士としての仕事も回ってこなくなった浦は、リアルの世界では学生相手の講師を。
電脳の世界ではまさしく五輪書を綴る宮本武蔵のように、居心地のよいホームサーバ上で記憶の編纂を行っていた。

その中で。
興味深い事例の一つとして。
いまだ確認されていない、もしかしたらただの風説とも言える。
賛否に議論が起こらないほど放置された事例に、彼は遭遇した事があった。
しかしそれは新たな世界への架け橋、入り口になるかもしれない事例で。
とはいえ、それが果たして本当に『そう』であったのかどうか、彼自身よく解らない。
そういう体験を、彼は掘り起こしていた。

31 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:22:21.76 ID:ELRRq71F0
add:211.188.a122.u298.7

見た目はただのリビングである。
しかし、その実は電脳の世界に構築されたリビングである。
目的は同じ。
ラフな格好でくつろぐ場所だ。
嫁と語らい、時に愛し合う場所だ。
もっとも、僕の嫁は電脳世界じゃないと抱けないんだけど。
自己開発したプラグインを実装した世界に一人だけの……ゴーストを持たない僕の嫁。
法的に人権は認められていないけど、ネット上では既にその権利と配偶者への配慮がマナーとして確立されている。
が。
いまだ電覚を知らぬ者、意識を脳から乖離させる行為……電脳を否定する宗教団体、
あるいはこの国では左翼とされる保守主義者からは反対されるどころか現実社会で差別されかねない趣味だったりするのだが。

その嫁だが、今日は使いに出している。
電脳上での機能としては、ほぼ人のそれに近いスペックを有している。
まして今現在は自分と情報結合を果たし、データの閲覧をレベル3まで許可しているため、
発言に重みは無くともその深さと行動取捨選択において不足をとることはない。はずだ。

そういえば、無機知能でありながら人権を認められた娘が最近いたとかいないとか。
浮気心ではないがちょっと会って見たかったり。嫉妬深い嫁がなんていうかが心配だけど。
しかし、今持て余すこの事例。
これを語る上で、この娘の話も参考になるか……?

結構長いドキュメントだったが、今一度その内容を。
かいつまんで読み込んでみよう。

32 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:25:38.44 ID:ELRRq71F0
それは、今から二年前。
都市型内包低温核融合発電施設を一個中隊が襲撃。
戦闘サイボーグを含む部隊に原発警備隊は壊滅。
十七層の防壁を吹き飛ばし、炉に基準を大きく上回るプルトニウムが投下され、
臨界事故が発生。ポケットに収まるフィルムケースほどの容器に入ったプルトニウム239は核分裂し、
地下設備だったため爆風と熱線は防がれたが、防ぎきれなかった電磁パルスは大停電とともにその都市すべてのサーバーを襲った。
精神を断ち切られ、意識を消し飛ばされた居合わせたダイバーの数は、一説には、であるが二万人を超えていたと言う。
そして後日。
復元されたHDDへの潜行命令が出された。
RAY上において史上最大の死亡者数を出したサーバー。
そこでの出来事だった。



暗闇だった。
目を凝らせば見えた。
それはまるで、旧式のBIOS画面を思わせる空間だった。
決して雑ではないが、そもそも復旧に無理を利かせすぎである。
断片を別のHDDに移せばまだ楽かもしれないが、電気潜行の場合はそれでは意味をなさない。
ここで息絶えたものたちの痕跡を探す。
データのサルベージ技術は、いまだそのレベルで実用段階に達していないと言えた。
ハードがぶっ壊れているのだ。
動きにくい。
まるでタールの中を進むような重い足取り。いやな空気。
しかし、この程度。
いつも快適な……敵性空間でもプログラムの動作のために整備されたRAYの筋道がある場所とは違う、このアナログな重苦しさ。
これこそ最初期に潜ったときのあの感覚に近い。
今、それを知る者は少ない。

33 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:31:14.35 ID:ELRRq71F0
研修で潜行士はその実習も受けるが、それもさわりだけだ。ここでくたばった連中はアマチュアぞろいだったと言う。
この暗闇で息絶えたものも多いのではないだろうか。
バッテリーの余剰電源でいったい何人が冬眠モードに移行できたか。
出来たとして破損したデータはゴーストを保持しうるのか。
ゴースト。
またこの言葉を使ってしまった。
あるかどうかも定かではないのに。
……と、それは今は良い。
瓦礫の山が。

打ち砕かれたプログラムの破片。
焼ききれた回路により生じた断絶の深遠。
RAYの歪み。バグ。あるいは、電子的に偏向を持った『集失点』……我々に近い波長を持ち、
干渉し、電子体を構成する機械語を狂わせる。
言うなれば、天然に出来た初歩中の初歩の攻勢トラップ。

不意に三半規管が震度を感知。声。違う。声じゃない。でも声。
半自動的に発信源を探査。位相展開。スパイウェアの準備。現在起こっている事象を記録に残す。
いずれ振り返るときのために。

34 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:33:45.20 ID:ELRRq71F0
反響。再度訪れる震動。トラップダウン解析しつつ枝を仕掛ける。
ミス。引っかからない。無意味な波紋。だがベタ波だった世界に誰かが小石を投げ込んだ。それは確か。
今度はこっちから。
電子の波に手を掛け、はじく。
それはメッセージ。

誰かいるのか。助けに来た。

しかし無反応。大きな抵抗の中で、それでも見えないところまで届いたらしいメッセージに返信は無かった。

いつまでもここにいても埒が開かない。
さらに奥へ。もっと奥へ。

固体素子の内部を泳ぐ。
大きく腕をかいて、前へ、前へ。マタニティ水泳教室のように。
酷く緩慢な動きのように見えるだろうが、実にこれが精一杯である。


実に、そんな潜行を五時間続けた。

35 名前:取り逃し亜人 ◆c6bw2Zi7Iw :2006/06/30(金) 23:35:35.79 ID:UhdMJtiI0
wktk

36 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:36:44.51 ID:ELRRq71F0
真っ暗な闇の中を手探りで進む。足元は時に急激な段差を配し、神経を削り取る。
時々、指先に見えない何かが触れるような感触があったり。
しかし、何度回帰してもそのログは見つからず。
また時折、視界の端に白い服を着た何かが佇んでいるような気がして振り向くも、ただ暗闇のみが溢れるだけだったり。
これも何度と無く再生したが、しかしどこにもそれらしき影は映っていない。

しかし、感じる。

これは実におかしくそして不愉快な現象だった。
すべての自身にかかる変化を観測するはずのシステムが正常に動作していないのか。
それとも、観測者自身、つまり自分を基盤として動くデバイスに不調があるのか。
電脳活性をチェックしてみる必要があるかもしれない。



『……あは。』



まただ。



『あはははははははははははは。』

37 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:40:22.17 ID:ELRRq71F0
しかし、視界の端に表示したグラフに振動は見られない。
やはり、何かがおかしい?
あるいは……考えがたい事だが、浸食を受けているのだろうか。
それにしたっていったい誰が。今俺は十三人のスタッフを代表して潜っている。
俺の前には束になって敵わない二級から準三級の連中だが、侵入を検知すれば迎撃が出来ない連中ではない。まして人数がいる。有事の際には特珪研の大型端末に支援の要請も出来る。
まず、外部からの攻撃ではないだろう。

と、そんな事を考えるうちに、聞こえているのかどうか定かではない声は消えていた。
まったく。
リアル世界なら耳をふさぐ事でその強弱を確かめられるのに。
観測できないのに、感じる。

酷く不快だった。

―――――電子夢と言う現象がある。

ループや迷宮プログラムなどに発生すると言われる、物理的な操作により自身を見失ってしまうことで起こる現象。
アンカーが届かない、あるいは繋ぎすぎてノイズが許容範囲を超え追いつけなくなったときなど、その回線からハッキングをかけ五感をすり替え電子的に誘発された夢にきずかずに踏み込んでしまうのだ。その内容が、今この状況だとしたら?
何も電子夢はハッキングによってのみ起こる訳ではない。自分自身が発するアレイに干渉を受けることもあるし、オカルトな話をすればプログラム上に潜む肉体を持たぬ意思による拉致だと言うものもいる。

………………。

なるほど、こんな状況下で遭遇すればそう思いたくもなる。

38 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:42:57.67 ID:ELRRq71F0
しかし電子夢はあくまで誘発する因子が電子的メソッドであると言うだけで、
実際に「見る」ゆめは実にDREAMと同じく原始的欲求や障害に左右される。
ましてこんな夢を見る理由が無い。このような夢のモデルになる体験を、
自分はしたことが無かった。ついでに言うなら、移動した距離としよした安価数を見比べて、
電子的にも精神的にもその強度で負けるほど濃度は薄まっていなかった。
ゆえに、今この状況がそれだとはちょっと思い難かった。

アンカーを辿る。ずいぶん進んできた。
帰りはこれに乗れば良いだけなので楽である。また通信にも使用できる。
RAYに刻んだ足跡。
タッピング。

一人でうだうだ考えるのは禁物だ。
頼れる仲間がいるのだから素直に頼れば良い。

びこびこびこびこ

呼び出し音。自分が鳴らした。
回線が開く。ウィンドウが表示される。
そこには大学の後輩が居た。
こいつは自分とほぼ同じ環境にありながら『金属アレルギー』と言う単純かつ致命的なハンディから一日後とのダイブ時間が制限され、
『捕獲』され、オフラインに出来ない危険も伴う緯線に立つ一級潜行士にはなれなかった、二級潜行士だ。

「あろーあろー。先輩どうしましたかー?真っ暗闇が怖くなっちゃいましたかー?
いけませんねーいけませんねー、確かにおっかないし神経切れちゃうかもしれませんけど、
そこでへばっちゃいけませんねー、藤岡隊長も言ってたでしょー?
『動くな!!………じっとしていろ……!!』あーいけなーーーい、先輩の肩にタランチュラがーーーきゃーーーーーーーー」

ぶち。

39 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:46:27.10 ID:ELRRq71F0
びこびこびこ

藤岡探検隊隊員その1「すいませんふざけすぎました。」
藤岡探検隊隊員その2「頼むよホント。………ってオイ。」
堤「あははー♪…………すんませんorz」
浦「あんま遊んでんなや。」

メッセージウィンドウの名前表示が狂っていました。ここに謹んでお詫び申し上げます。

堤「で、どうしました。」
浦「カフェインをくれないか。あと少しセンサ類の感度がおかしいかもしれない。
 そっちでも見てみてくれ。さっきから変な声が聞こえるんだ。」
堤「んれー?っかしーなぁー。ぱっと見では異常ありませんけどねー。
 一応データ送ってもらえますかー?」
浦「ああ。よっか早くカフェインくれー。」
堤「あいあいー。受信完了ー。今ショーコちゃんが注射してるからしばらくしたら効いて来ると思いますよー。」
浦「も少し深層に潜って物理アドレス追っかけてみる。クラスタの制圧率はだいたい37%ってところだな。」
堤「こっちも寝ずの番でやってますから、さっさと片しちゃってください。」
浦「そういうところがお前の……まぁいいや。確かに面白いものがあるわけでもなし。なるべく早く終わらせるよ。」
堤「じゃ、がんばってくださいねー」

ぶち。

そして徐々に体が光を取り戻し始める。
発光。発光、発光。

40 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:49:51.58 ID:ELRRq71F0
光が身体の輪郭をなぞってRAYの闇を照らす。
さすが。
本来法的に許されてはいないが、超法規的義務を負わされることもしばしの潜行士は超法規的な権利を幾つか有している。
それらはほとんどが暗黙の了解として機能しているが、その中に積極支援されるものがある。
それが、これだった。
疲労回復と精神増強のための、メタンフェタミン系薬物投与である。

うぉぉおおおおおおお。
み・な・ぎ・っ・て・き・た・ぜ!!

てほどではないが、指先はもちろん髪の毛の先端、隅々まで。
視界も幾分ではあるが先ほどよりクリアになっている。
それは全身の感覚の過敏に触発された効果だったが、好都合に違いは無い。

探索を再開しよう。
先ほどより幾分調子が出てきた。



そして。
その時。

そいつは現れた。

41 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:52:05.00 ID:ELRRq71F0
「…………!!!」


ざざざざざざざざざざざざざざざああああああああ!!!!!!!

総毛立った。
寒気まで感じた。
先ほどまでとは違う世界に居た。
唐突過ぎてついていけなくなるくらいに。
ハッキングか。
外部との連絡は。
コネクションエラー。
再試行。
状況の把握。
ファイル欠損なし。
コネクションエラー。
再試行。
アドレスは。
404.
位相グラフに変化なし。
コネクションエラー。

外部と連絡が取れません。



「………はじめ、まして。」

意外にもそいつは真っ当な声で語りかけてきた。

42 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:55:39.30 ID:ELRRq71F0

                            こいつと会話する前に言っておくッ!
                    おれはこいつのスタンド(?)をほんのちょっぴりだが体験した
                い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれはさて再探索だ、と意気込んで立ち上がった
 ※浦→    i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ         と思ったらいつのまにか変なところに居た』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとかハッキングだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


「貴方は、ここに何をしに来たのですか?」

「………仕事だけど何か。」

43 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/06/30(金) 23:59:45.51 ID:ELRRq71F0

「でもこんなところまでくるなんて………ちょっと驚きです。」

「いや僕の方が驚いていると思うんだけどね。」

一面白い空間。
しろ。
なぜ白。
さっきまでは真っ暗だったと言うのに。
腕を動かしてみる。
先ほどまでと同じような重苦しさは……まだ、残っていた。
しかし会話する上での障害にはならない。

そして。

目の前にいるのは、少女だった。

これもまた、白い少女だった。

「ここまでくることなんか出来ないって踏んでたんですけどね。
 私が思う以上に、生きた人間のチカラは凄まじい。」

……………デムパな事を言いだした。


44 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:02:58.77 ID:syevlu5c0
「えーと、あなたは?僕の名前はプロムナード。
 あなたは……その。OSインタフェースかなにかの生き残り……かな?」

「…あははっww。そういうことも出来ますけどね。そういう仕事はしたことがありません。」

「……で、なんなの。」

投げやりに言ってみる。おかしい。おかしすぎる。
すぐにでもなんらかのヒントを得たい。こいつの時間稼ぎかもしれない。ハッキングだとしたら?
しかし少女は笑って言った。

「私は何もしません。あなたがこれ以上行かないといってくださるのであれば。」

「なにがあるって言うんだ。この先に。」

「…………」

少女は押し黙る。

「話によっては退いてもいいよ。」

「えーと…そのですね。んー………」

そんで。

45 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:06:52.85 ID:syevlu5c0
「死後の世界。とでも言いましょうか。」


あーあ。

「そうか。ならそれは……」


だだん!!


飛び出した。
一足。
まだ重いRAY上。

しかし速い。
本気を出すと、こうなる。
先ほどまでの会話。
そのさなか、この空間を把握し。
それを捻じ曲げる方向にプログラムを組んだ。
即席だったが加速は利いた。
反響も無く。
音も無く。
少女の脇を過ぎるように。
しかし。

46 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:08:55.36 ID:syevlu5c0
「はぁっ!」

「――――でっ!!」

はじかれた。
一瞬で迫った。かと思った。

だが。

弾いたはずの彼女は俺の背後に。
俺は無様に転がっていた。

そして彼女の守っていた場所が、俺の目の前に。

「………行っちゃダメです。」

懇願するような声だった。

これは。
何度か夢で見たのと同じ。

47 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:11:38.73 ID:syevlu5c0
「その先には死が詰まってます。死に行くものたちの残滓が残っています。
残留思念といえば解り易い筈です。その先は、多くの死者の最後が残っています。
それは死に際に残したも強い念。たまたま衝撃耐久性を重視したサーバの固体素子だったため
にそれらが保存されました。宗教的聖地、自然発生的プラズマ。そういった場所に発生するRAY
をご存知でしょう。それと同じ状態がここで起こっています。もしあなたがそれ以上踏み出すと言うのなら、もちろん命の保証は出来ません。
いずれ……あなた達はこの世界、この先の空間をも制圧しに来るでしょう。
ですがあなたは違う。
貴方はここにいてはならない。
貴方じゃない。
だから帰ってください。だから貴方は帰ってください。」

それは。
中年を前に一線を退いた。
悔し涙をいくつも飲んで退いた自分への。

最大の侮蔑だった。

48 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:14:27.98 ID:syevlu5c0
「じゃあ。」
「どんなもんか見せてもらいましょうかね。」


飛び込んだ。

背後で少女が、

「わからず屋………」

そう呟くのが聞こえた。


ざざざざざざざざざざざざあざざああぁざあざ…………………………

再びノイズにすべてを支配され。

行き着いたのは、先ほどと同じ暗闇だった。
ただし、違うのは。

「……軽い。」

先ほどまでの重苦しさは無く、その反動で悠々とどこまでも飛べそうな感じがした。

いったいなんだったんだ?
さっきの少女は。
電子夢だろうか。

49 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:18:37.87 ID:syevlu5c0
そうだ。
本部とのリンクを再結合しないと。

かちかち。

脳内でクリック。アイコンが変色し……

グリーンに、ならなかった。

「………エラー…?」


ざっざっざっざっざっざっざっざ。

なんだ。

ざっざっざっざっざっざっざっざっざ。

どこかか、足音が聞こえる。

50 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:22:37.03 ID:syevlu5c0
どん。

何かがぶつかる。

かかっ。

光が差す。

ざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざ。

老人が。

俺の横を通り過ぎた。

「なんだ。なに…が…起こっている。」

光が迫ってくる。

ざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざ。

51 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:24:03.80 ID:syevlu5c0
どっ。

またぶつかった。
衝撃はあったのに、ぶつかったそいつは……
通り抜けていった。

「……ここは……どこだ。RAYじゃないのか。」

ぶぉぉおおおおん……

車が過ぎていった。

ざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざ。

情緒不安定。何かが変だ。
俺に繋がるすべてが、ここにはない。
潜行士として許されるものでは無い恐怖を感じていた。

「な……なんだってんだ…なんだってんだよ……!!」

心が何かに蝕まれていく。
強烈な何か。

そして。

ざっざっざっざっざっざっざ。

ざざざ!!!!!

52 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:26:54.38 ID:syevlu5c0
それは最初は小さな足音だった。
徐々に大きくなり。
そして現れた。


                      ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
          ザッ            ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                        vymyvwymyvymyvy     ザッ
               ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
                __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\/''''''   '''/''''''   '''''':::::::\   /''''''   '''''':::::::\
  . |(●),   、(●)、.:|(●),    |(●),   、(●)、.:|、( |(●),   、(●)、.:|
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|   ,,ノ(、_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|   `-=ニ= |   `-=ニ=- ' .:::::::|ニ=|   `-=ニ=- ' .:::::::|
   \  `ニニ´  .:::::/\  `ニニ \  `ニニ´  .:::::/ニ´ \  `ニニ´  .:::::/
   /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\-‐‐ /`ー‐--‐‐―´
「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」


53 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:29:00.65 ID:syevlu5c0

「う…………」
「うわぁあああああああああああああああああああああああ!!!111!!!1!!」

死んだ連中だ。
ここで死んだ連中だ。
ダイヴしていた連中だ。
真性のVIPPERたちだ。
そいつらが隊伍を組んで。
俺に向って進軍してきたのだ。

「な、な、な………ああああああああああああああああ!!!1!!1!!!!!」

54 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:31:01.12 ID:syevlu5c0
                   Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^−^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
                __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\/''''''   '''/''''''   '''''':::::::\   /''''''   '''''':::::::\
  . |(●),   、(●)、.:|(●),    |(●),   、(●)、.:|、( |(●),   、(●)、.:|
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|   ,,ノ(、_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|_, )|   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|   `-=ニ= |   `-=ニ=- ' .:::::::|ニ=|   `-=ニ=- ' .:::::::|
   \  `ニニ´  .:::::/\  `ニニ \  `ニニ´  .:::::/ニ´ \  `ニニ´  .:::::/
   /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\-‐‐ /`ー‐--‐‐―´
「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」 「VIPから来ますた」

55 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:33:07.05 ID:syevlu5c0
流される。
クソスレに。
流される。
空気に。
流される。
亡霊に。
流される。
体ごと。
流される。
埋め尽くされる。
死の間際のクオリティに。

様々な思念が俺を

焼き消そうとしていた。


56 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:35:31.13 ID:syevlu5c0
「――――って――――」

だっ…れだ……よっ

「この――手を――とって」

あんたか…罠じゃないだろうな。

「早く……死にますっ……死んじゃいますっ…!!」

でも……手どころか全然動かないんだよっ

「何言ってるんですかっ…」

でも動かないんだ

「―――――あなた潜行士でしょうっ!!」

57 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:37:53.98 ID:syevlu5c0
ぐあっ

伸ばされた手がVIPPERの波の中に突き込まれた。

動け。動け。動け動け動け動け動け動け動け動け動けぇええぇえええ!!!!!!!!

がっ!

『うはwwwktkrwwwww』

掴んだ。
確かに掴んだ。
この手を掴んだ。
そして彼女は叫んだ。

「このっ……クソVIPPERども!!!!

 __     __       n     _____  _____     ___ ___    ___
 |   |    /  /      / /    /       | /__  __/ [][] _| |_| |__ _| |_
 |   |.   /  /    /⌒ヽ/     /   / ̄ ̄|. l    / /     |    _  | |_  レ'~ ̄|
 |   |  /  /    ( ^ω^ )    /   /.  / /    |  |___      ̄|  | / / /   /| |
 |   |  /  /     ノ/ /  ノ   /    ̄ ̄ /     \__|     |  |  ̄ /_  /  | |_
 |   |. /  /   // / ノ     /   / ̄ ̄ ̄                |_|     |__|   \/
 |   |/  /  ⊂( し'./    /   /  
 |.     /     | ノ'      /   /                     ニュー速VIP
 |    /.     し'      ./   /                  http://ex14.2ch.net/news4vip/  」


58 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:40:12.69 ID:syevlu5c0





ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ!11!!!!111!!




VIPPERが。

止まった。




59 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:43:09.79 ID:syevlu5c0
そして時は動き出す。

        ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
          ザッ            ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                        vymyvwymyvymyvy     ザッ
               ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^‐^Λ_ヘ^‐^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
                __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
   /      :::::::\/      /      :::::::\   /      :::::::\
  . |          .::|       :|          .::| : |          .::|
  |          .:::::|      :::|         .:::::| :::|         .:::::|
.   |          .::::|      :::|         .:::::|  |         .::::|
   \       .::::::/\     .\       .::::::/   \       .::::/
   /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\-‐‐ /`ー‐--‐‐―´
「VIPに帰りますた」「VIPに帰りますた」「VIPに帰りますた」「VIPに帰ろうかなー。どうしよっかなー」

60 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:46:05.85 ID:syevlu5c0
続けて彼女が叫ぶ。
先ほどまでの儚げな声とは打って変わって、力強く。

「あがれぇええええ!!!!!11111!1!!!」

――――――――――ごっ!!


          /⌒ヽ
   ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ




そして僕達は、力強く、舞い上がった。





61 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:49:34.93 ID:syevlu5c0
後日。

その後俺は目覚めた。
そこはRAYではなく。
現実の、特珪研の、安普請のベットの上で。

「………ちっくしょう。」

現実認識とともにそう呟いた。
柄にも無い俺の発言、起きてすぐのその発言に、隣で見舞いしつつ読書していたショーコちゃんがぎょっとした目を向けた。

聞いた話では、あの補給のあとすぐ俺は『掻き消えるように』その存在を見失なわれた。
集失点に飲まれたとも追われたが、心肺は安定。
かつて無い事態だったが、マニュアルに沿って繋ぎっぱなしで放置する事に。
そもそもまだまだ未知の部分が多いRAY上の現象・事象である。
帰還が待たれた。

その間も『浦小道』の観測は続けられ、その途上いくつも不可思議な現象が起こった。
脳波に、である。
夢を見ているような状態なら多少の振幅はあってもしかるべきである。
カコテールアミンどぱどぱである。
大きな動揺のあと、いきなり鬱になったり発狂したり、とにかく生産の切り替えがここまで速く済むはずが無い
勢いで、また実際には生産されていない脳内麻薬による脳波への影響も見られた。

62 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:52:08.27 ID:syevlu5c0
それから三時間と十九分後。
唐突に彼のビーコンをキャッチ。
自閉モードを暗号キーを用いて強制解除。
堤が『意識を失った』という、意識するゆえ意識ありのRAY上ではありえない……と思われていた状態で発見、回収。
アンカーを用いて帰投。

そして今に至る。

探索は別の潜行士……マーボと言う大男が代わってくれた。
借りが出来てしまった。


その後、一連の記憶を洗い出したものの、自身に由来するノイズが多かった事意外に不審点は無く。
謎にまみれたまま、この一軒は幕を閉じた。

ちなみにその日、VIPが謎の集団から電子的攻撃を受けシャットダウンされる事態があったらしい。
あれだけ人がいる場所だと言うのに、誰一人として犯人の姿を目撃できなかった事から、国家ぐるみの犯罪行為が疑われたが。
真相は、闇の中である。


これが二年前起きた、ことのすべてであった。

63 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:52:59.90 ID:syevlu5c0
あれから二年。
枯れない桜とかは関係無いが、堤はいまだ、あのサーバに執心していた。

「ねーショーコちゃんショーコちゃん。」
「なんですかー?」
「こないだ発見したレジスタに残留してた数字の羅列だけどさ。」
「はいはい。」
「あれで指定されたコードで浦先輩の記憶を読み込ませてみたのよ。」
「はい……?」
「そしたらね、ちょっと面白い事があってね。」
「いやあの、よく言ってる意味が解らないんですけど。」
「アキュムレータに焼付けされてそのまんまだった記号を順に並べたらメッセージが出てきたってこと。」
「……なんか胡散臭いですね…」
「それに沿って映像解析したら……」


電気潜行が新たな世界に踏み出す日が、訪れようとしていた。

gdgdでEND!!

to be continued.......

っていうか、本編をお楽しみにッ!!

64 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 00:54:33.39 ID:z4UK7nj00
ハードルたけぇぇぇぇぇw
ってことで本編やるんだけど、参加者はいるかなー?

65 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 00:55:55.28 ID:1HxGnTtj0
前フリ長すぎで疲れましたorz

66 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 00:56:59.25 ID:syevlu5c0
>>65
ゴメンね……orz

67 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 00:57:30.67 ID:3XylGgX90
同じくゴメンね……orz

68 名前:取り逃し亜人 ◆c6bw2Zi7Iw :2006/07/01(土) 00:57:34.95 ID:Fc2DHA8j0
ナーーーーガーーーースーーーーー
でもおもしろそう

69 名前: 【凶】 :2006/07/01(土) 00:57:41.38 ID:X5xJovuh0
参加する・・・気力はちょっとないけど、これだけ。

>>52>>54
                      ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
     VIPはカエレ!          ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                        vymyvwymyvymyvy     VIPはカエレ!
               ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^‐^Λ_ヘ^‐^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
                __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
   /      :::::::\/      /      :::::::\   /      :::::::\
  . |          .::|       :|          .::| : |          .::|
  |          .:::::|      :::|         .:::::| :::|         .:::::|
.   |          .::::|      :::|         .:::::|  |         .::::|
   \       .::::::/\     .\       .::::::/   \       .::::/
   /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\-‐‐ /`ー‐--‐‐―´
      VIPはカエレ!

70 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 00:59:23.43 ID:VuUvrmiK0


71 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:01:07.77 ID:z4UK7nj00
あらあら、いるわいるわw
では、はじめますよー!

72 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:01:47.81 ID:z4UK7nj00
*CYCLOID
ここからだ。
そうだ。私達の仕事はここからなんだ。
円を描いて回る光の球体が見えなくなり、視線の先にはシリコンのテーブルが見えてきた。
『泳いで』、そこへ着地する。それから仕事だ。
電子のライトはいつも過剰で、シリコンのテーブルは鏡面。
つまり、光り輝くステージ。
その光の園より――始まる。

不思議な仕事。
きっと、私の人生の中でも一番特殊で危険で。
楽しい仕事なんだろう。
誘導に従い、螺旋を描きながら泳ぐ。
着く――。

ああ、なんで私はこんな難儀な仕事をするんだろう。
苦笑すらRAYのイメージが再現する。
それもそうだ。
私はwave-riderだ。
私は天下の望月アヤメ様だ、失敗は無いだろう。
ここが私の生きている理由になっているのだから。失敗したら死って事だろうけどね。
ああ、今日も生き延びよう。
そのために――『泳ぐ』。

73 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:02:17.18 ID:z4UK7nj00
白衣の女がゴミ箱を蹴った。
壁に寄り添っていたポリ箱は倒れる事はなかった。
盛大に空洞を示す音と内部にため込んだ紙束を踊らせるといったリアクションを返すだけだ。
「くそ……」
彼女は腹を立てていた。自分の手がけた作品――娘の一人が眠ったままで、それを救出できない事に。
己の首をかけた、無許可のバイパス工事に関してはようやくの不問。
しかし、サルベージ許可は未だにでない。
腹が立つ。
大事な――女がこのプロジェクトに就き、初めて担当した――娘を救いにいけぬ苛立ち。
同室の同僚達も彼女の剣幕に近寄る事が出来ないでいるほどの。
「主任。部長がよんでますよ」
遠慮がちに、明らかにおびえを含んだ声が、女の背後からかかる。
彼女はそちらを見ずに口を開き。
「ああ」
禁煙の室内で遠慮無く煙草をくわえ――流石に火は付けない――、彼女はぶっきらぼうな返事と共に部屋を出た。

「で、あたしになんの用さ」
「相変わらずだねぇ……みこの件なんだけど……」
「――ん」
思わず女の表情が引き締まった。
相手は、みこ――美潮型三十五号機、つまり、眠った娘だ――の最愛の相手だ。
眠った娘から見れば、最愛の人と母親が向き合っているように見えるのだろう。
娘の妹たちからしたら、夫婦喧嘩のような状態だった。
沈黙を、そんな事はどうでもいいとばかりに、女は口から着火していない煙草を離す。
まじめに聞こうとする女の態度に、男は軽く笑い。
「サルベージ、やろう」

74 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:03:02.09 ID:z4UK7nj00
「あ? 本人は望んでないんだろ。危険だからって」
それでも、そう言った彼女はサルベージの申請を出し続けていた。
娘が危険と思おうがそれに立ち向かう。入社当初の不良女は、現在母親の義務と意志で戦っている。
「君はそれでいいのかい? 僕は嫌だよ」
「――ケ」
再び煙草をくわえ、そっぽを向いて女が言葉を続ける。
「あたし一人じゃ無理だったのをどうするんだよ。所内唯一のwave-riderのあたしがだぞ」
そう、無理だったのだ。美潮の機械部分、そしてみこの『人らしい思考』で構成されたみこのRAYは、複雑きわまりない迷路だった。
「一人で無理なら、多数で行こう」
「あ?」
「許可が下りたんだよ。 みこをサルベージする予算のね」
「おう」
「君に陣頭指揮を任せたよ。にな、みお、みさ、みなの許可も下りた。彼女たちも承諾済みだよ」
「そうか」
硬い表情、意志がはみ出してしまいそうな強い視線で答えた。
「やる。みこを――お前の……」
男は手を軽く出した。
「僕たちの。ね」
「ああ、ちゃんとモニターしろよ、父ちゃん」
男は軽く笑って、勿論だよ。とだけ告げる。

そして、メンバーを集める作業と、彼女の『仮名』が決まる。

75 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:05:36.62 ID:z4UK7nj00
*ルール
スレで行う宝探しADVです。8つのエリアにそれぞれある『美潮の断片』を探して貰います。
3チームがチーム毎で指示を受けます。

*流れ
移動安価>調査安価 これの繰り返し。

76 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:06:57.49 ID:3XylGgX90
――ヴィクター・ホスティンの場合――


 台所に充満するダシの匂いに包まれて、エプロン姿のヴィクター・ホスティンは計量スプーンを探していた。
 いつもは頭上の棚にぶら下がっているのだが、見つからないのだ。
「あやめさーん。計量スプーンしらない?」
 リヴィングにあるPCで仕事をしているであろう彼女に尋ねる。
「んー? さあ……どこにやったっけねえー?」
 といつものように怠惰な答えが返ってくる。その声にヴィクターはあきれの混じった溜息をつき、
「昼間使ったのあやめさんでしょう? ちゃんと元の場所に戻しておいてくださいよねー」
 と非難の声を上げる。
 彼女『水無月あやめ』は使ったものを元に戻すということをしない性格なのだ。おまけに掃除・洗濯・料理が苦手、というか"やらない"のだ。
 一緒に住む前のあやめの部屋はゴミ捨て場さながらの様相を呈していたし、それを片付けるのがヴィクターの習慣になっていた。
 一緒に住むようになってもあやめの性格及び生活態度は変わることなく――むしろ加速している感もある、当然悪い方向へ――そしてヴィクターは専業主夫の度合いを強めていった。
 ウェイヴライダーとはいえただの潜行技師。仕事はそう頻繁に入ることも無いので、必然的に半専業主夫のような体に落ち着く。
 大小の不満はあれども、それも瑣末なことに終始し、なんだかんだ言っても今の生活が好きなヴィクターであった。
 頭上の戸棚の中を探し回ったりしていると、
「あ、ヴィー? メールきたよ……お仕事みたい」とのお知らせ。
「開いていいよー」返事をし、戸棚をしめる。
 ここにも計量スプーンは無かった。
「あーい。――えっと、『諏訪電子特殊珪素合成研究所』ってところから」
「諏訪電子? あー、『特珪研』ね。依頼の内容は? サーバのメンテナンス? 防壁の強度試験? あそこ最近。防壁を最新のものに更新したっぽいからねー」
 結局どこを探しても見つからず、ヴィクターは計量スプーンを諦めた。目分量で何とかなるだろう、と思い冷蔵庫の中から野菜を出そうとした時、
「あ、あった」
 野菜室の底に計量スプーンはあった。
 何でこんなところに入っているのか理解に苦しむ。
「んーっとねえー。今回は潜行対象のリカバリの依頼だって」

77 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:07:48.13 ID:3XylGgX90
 とりあえず、目的のものは見つかった。あやめの返答を聞き流しながら、冷えた金属製のスプーンにオイスターソースをそそぐ。
 これくらい目分量でも大丈夫なのだが、なにぶん細やかな性格のヴィクターは、何事もきっちり計らなければ気がすまないのだ。
「へえ――その潜行対象は?」
 どこかの間抜けな技師がデータを飛ばしたのだろうか? リカバリは結構めんどくさいのだ。RAYの海から断片化したデータをサルベージしては引っ付けまたサルベージ、のくり返し。
 まあ、それもお仕事だし、報酬も結構もらえるので好き嫌いは言ってられない。
「みしおがたさんじゅうごごうきの復帰だって」
「ふうん。美潮型の三十五号機ね――」
 ヴィクターの全身が固まる。
「美潮……型? 三十……五号機?」
 計量スプーンからこぼれた液体がまな板に茶色の池を作りはじめていた。
「うん」あやめが読み上げる。「潜行対象『美潮型三十五号機』パーソナルネーム『ミコ』のリカバリ及び、同機に潜行しているものと思われる『浅川まりえ』の確保……ってこれ、まさか」
 計量スプーンをシンクに投げ入れ、リヴィングへ向かう。机に上に浮かぶPCの投射モニタと、その前に座っているあやめの間に割り込む。
「美潮型三十五号機って、前にあなたが言ってた『唯一"人として"認められたアンドロイド』ってやつ?」
 しかしその問いにヴィクターは答えない。彼の脳内ではさまざまな思考が明滅を始めていた。
 美潮型、それも三十五号機? リカバリ? 潜行していると思われる対象の確保? あくまで副次目的扱いだが、これじゃあまるで捕り物の依頼じゃないか。
 あの『三十五号機』が攻撃を受けた? まさか。美潮型、それに三十五号機ともなれば、防壁もアンチヴァイラスも強力なものが導入されているはずだ。それが崩された?
「あやめさん、ちょっといい?」
 そう言ってあやめを椅子から追いやったヴィクターは、机に投影された仮想キーボードを素早く叩き始めた。


78 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:08:49.38 ID:3XylGgX90
――白山菊理の場合――


 薄暗い部屋の中、缶ビールや栄養ドリンクの散らかった机の上に浮かぶ投射モニタの明かりに縁取られた一つの影が、白い壁に浮かんでいた。
「へえ……」
 影の主である白山菊理――シラヤマ"ククリ"だ"キクリ"ではない――はそのしなやかな指で仮想キーボードを忙しなく叩いていた。
 卓上にはいくつものウィンドウが開かれており、同時にさまざまなプログラムがタスクを進めていた。
「楽しそうだなあ」
 呟いて、菊理は椅子からたれている尻尾を揺らす。猫型の亜人には珍しくフサフサの毛をまとったそれが、埃っぽい床をはたいて乾いた音を立てる。
 菊理が楽しげに見つめているウィンドウには一通のメールが表示されていた。
 『諏訪電子特殊珪素合成研究所』通称『特珪研』と呼ばれる企業から、仕事の依頼に関するメールだった。依頼の内容は、潜行対象となるアンドロイドのリカバリ。
 アンドロイドへの潜行というのは、潜行技師の仕事としては極々一般的なものであり、菊理もたまに依頼を受けることがある。
 その大半は、事故や不具合で飛んだデータのリカバリや、不具合の改善などだ。楽な仕事だが、そのぶんペイも少ない。
 しかし今回は、少し話が違った。
 たった一体にアンドロイドに12人もが潜行し、作業を行い、ペイだって一人当たり600万を超えるのだ。たかがアンドロイド復帰作業で、この人数と金額を投資するというのはただ事ではない。
 その理由は潜行対象の素性の特殊性にあった。
「美潮型、それも三十五号機かあー」
 潜行対象『美潮型三十五号機』パーソナルネーム『ミコ』のリカバリ及び、同機に潜行していると思われる『浅川まりえ』の確保。
 それが今回依頼された仕事だった。
 美潮型三十五号機といえば『唯一"人として"認められた』アンドロイドだ。
 噂によると、そのRAYは独自の論理体系で構築されており、自己進化型のそれは現在使われている最新のHGP++とも異なる特性を持っているそうだ。
 そしてその途方も無い複雑性と拡張性により、美潮型三十五号機は人格を獲得するにいたった。とか何とか……。
 しかも依頼のメールには『美潮型二十七号機』の電子署名が添付されていた。あの名高い『美潮の眷属』も今回のサルベージに参加するらしい。
 "騙し"の線も疑って、暗号方式や伝達経路を調べてみたが、どれも正常なものだったし、間違いなくこれは『特珪研』からの依頼だ。

79 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:09:29.88 ID:3XylGgX90
 密かに、菊理は心を踊らせた。
 今までの無機質でつまらないRAYへの潜行とは訳が違う。しかも状況から推測すると、捕獲対象は三十五型をライドしたらしいし、そうなるとなかなかの手練だろう。
 現行の美潮型には最新式CAFのβ版が実装されているという噂だし、アンチヴァイラスやSSDPだって間違いなくハイレベルなものが実装されているはず。
 そこ侵入し、陥落するのは容易じゃない。私だって、ESMやECCMの強力な電子戦装備で挑まなければ、進入すらままならないだろう。
 場合によっては、そのような相手と"やりあう"ことになるかもしれないのだ。
 この前の捕り物では、キャパシティの低いサーバ内でうっかり強力なディストラクションコードをぶっ放してしまってえらい目にあったが、今度は思いっきり暴れ――
「あー、ダメダメ。駄目よ、私。そんな物騒なこと考えちゃ」耳をパタンと閉じて尻尾と頭をブンブン振る。「そんなことだから男に逃げられるのようー」
 思考が明後日の方向に跳躍し、その先にあった先日の光景が、菊理の脳裏で再生される。
 『ごめん……。俺、お前についていけなくなった』だってさ! あーあ、これで何度目だろ、フられるの。今回は結構長く続いたのになー。ううう、タケちゃーん、カムバーック。私は未練たらたらよー、あなたの料理に。
「……はあ」
 溜息一つに椅子から立ち上がり、モニタの僅かな明かりを頼りに台所へと移動する。
 部屋の床にはケーブル類やディスク、洗濯物の山やガラクタ同然の基盤などが散乱していて、それらの隙間を猫のように――実際猫だが――尻尾でバランスをとりつつ、音も無く飛び跳ねる。
 冷蔵庫をあけ、相変わらずの空白っぷりを再確認し、ドアポケットから缶ビールを取り出すと、また猫のような身のこなしでデスクへ戻る。
 フられる原因はなんとなく、否、重々理解しているのだが、いつも見て見ぬふりをする菊理。
「んー。へや、片付けなきゃね」
 プル・タブを引き起こしつつおっとりと呟くが、すぐに行動に移したためしは、いまだかつてない。
 彼女はまた展開中のウィンドウにざっと目を通し、
「人の心を持った"オートマトン"ねえ……」
 缶を傾けた。


80 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:15:15.40 ID:syevlu5c0
裏の小道

潜行士という仕事はなかなかに特殊なものです。
何日も浅く潜る事もあれば五分で事足りる日もある。
毎日が新しい発見で満ちています。
皆さんの中には既にヴァーチャルシティを経験したことのある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一級潜行士の見る世界はまさに、従来の電脳世界と一線を画した高次元の空間です。

ここに集った皆さんは明日の潜行士として一線での活躍を望む意欲溢れる方たちと思いますが、
一級潜行士に求められる技術、センス、能力はまさしく世界を相手にするものでなければなりません。
ですから、ここにいるすべての人を相手取って、なおかつ電子の波を見切れるものでなければ。

深い深いRAYの底に、助けに来てくれる救助隊はいないのです。
頼れるのは自身の技能です。そしてそれが確たるものであれば、我々に乗り切れない局面はありません。
以上をよく理解し、そして恐怖する事を許します。ですが、なお意志を弱めない皆さんの邁進を期待します。

私からはここまでです。・・・あ?あ、はい、今日はここまでだそうです。はいはい。


―――――暗闇の中から、かすかな笑い声が細波のように流れ押し寄せてくる。
ぱち、ぱち、ぱち。

81 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:17:04.00 ID:syevlu5c0
真っ暗だった会場に電気がつき、そして多くの学生、技術者らしきものそして背後の背広組、
さらには上の特等席で見学していたどこかのお偉いさんがそろそろと立ち上がり、早急に帰り準備を始める。

そして、自分も。

ざわざわと色めき立つ中、一応最後の閉めの宣言をしなければならない。


「これで、本日の特別講義を終わります。」




ああ・・・歳かな。
立ちっぱなしが辛い今日この頃。
しかし、自分にしか出来ない仕事でもあるし。

日本最初の第一級潜行士。
世界でも最古参の部類に入る古強者。
見た目はただのおっさん。
中身は独身三十代。

しかしてその実態は。

一級電気潜行技師甲類特殊限定解除資格者
新都大学理工学部電気電子学科名誉教授

浦 小道<プロムナード>



82 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:18:16.18 ID:syevlu5c0
今日も今日とて、各地の大学、講演会場を回って潜行士を代表した活動に従事している。
ぶっちゃけ、既に一線からは遠ざかりつつある―――
時代に後れがちな、窓際族である。
本人曰く、あと数回は免許更新できるだろうけど・・・との事。

しかしその経験から導かれる洞察力は、それそのものであれば右に出るものはいない。
望むが体力のついていかない現場人間。


「さっさと帰って・・・・・・飯にしよう・・・・・・。」

彼の住居はLOS完備のコンクリート打ちっぱなしの一戸建てである。
そして家には、チユという彼の恋人・・・電子でできた恋人が、食事を用意して待っている。
と、その前になにか買っていくものはないか、と家に電話を入れようと思い、
愛車に窓から書類鞄を投げ込み携帯端末を手にとった浦に、不意に声がかけられる。

「浦 小道さんですね。」

振り返る。
仕事の匂いがした。
それも、ドキドキ、ワクワクするような。
久しく忘れていた、最深層の匂いが。

83 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:19:36.71 ID:syevlu5c0
そこには、黒いスーツを身に纏った屈強な男が一人。
恐らく肩部に強化部品を組み込んだ、一種のサイボーグ。
その脳には達人の叡智が詰まっており・・・
体術で右に出るものはいない、最高級のエージェント。
一人で都市区画を任されるエリート。

「またご大層なのが来たね・・・さて、なんの用かな。」

こんな経験は一度や二度ではない。
彼は以前にも何度か、国家規模のハッキング攻撃に対応するべく呼び出された事があった。
その時はまだ国定研究員だったし、潜行士資格も施行されていなかったから断りようがなかったのだが。
今でも、有事の際には国家権限を持って情報戦に従事させられることがある。
一般市民には戻れない自分に課せられた、公益のための自由の制限。

またなんか厄介ごとだな。
だが、それは。
面白いという事だ。

「この国に起こった奇跡が、あるミッションに従事し、危機に瀕しています。」
「あなたにはこの回収・・・いえ、救出の命が下りました。」
「拒否も可能ですが、総理も憂慮されておられる問題です。」
「是非ご協力を願いたい。」

84 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:20:48.85 ID:syevlu5c0
まくし立てた。
そしてただ聴いていた。
聴く前から答えは決まっていた。

「いいでしょう。私にできる事でしたら。」

「あちらに車が用意されています。中に今回のミッションの概要を伝えるインタフェースがいますので、詳しくはそちらで。」

「あ、待った。」

ハタ、と立ち止まる。

「ご心配なさらずとも、通常業務は他のものが―――」

「嫁に電話入れないと・・・。」


いそいそと電話をかけ、猫なで声で嫁にあいらびゅーをささやく独身男を、黒服は黙って観ていた。


85 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:22:08.35 ID:syevlu5c0
辛口大王<MABO>

俺が現れると、決まってこの音楽が流れる。
別にファイトしに来た訳じゃないんだけどね・・・。
まるで鼓舞するように、思い起こさせ、誘うように。
目ざとく俺のIDを見つけては、かつての俺の入場曲を高らかに鳴り響かせる。

そして、生きた伝説がこの場にいる事を伝えるのだ。
彼が来たぞ。彼が見ているぞ。
多忙な日々の合間を縫って。
彼がアリーナに来ているぞ。

人気者ってのは辛いねぇ、なんて言う気は無い。
別に注目されたとしても苦にはならない。
その気になれば、この空間の情報をねじまげ、その姿を衆目に漏らすことなく行動する事もできる。
いじくる事ができるピースの大きさが違うのだ。
より0と1に近い位置にあるスクリプトを改変できるし。
その気になればシステム自身に存在を溶け込ませることもできる。
それが、量子と電子の世界で生きるwave-rider.

もっとも、電気偏向を持つ自分はそこまで器用な真似ができる訳ではないが。
代わりに、力技に分がある、とでも言おうか・・・とにかく。
ぽりぽりとこんぺいとうのようななにかの入った袋を抱えて、大柄なスキンヘッドがアリーナの特等席に鎮座した。

86 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:23:49.45 ID:syevlu5c0
今から始まるその試合を戦う二人が、揃ってこちらに向って礼をする。
そして向き合い、また礼。
そして一歩引いて、お互いの獲物を取り出す。

まだ、始まらない。
ジャッジがコインを落とすまで。

ぴりぴりとした空気が伝わってくるようだ。
一方の獲物はバカ長い張扇系のマジックハンド。撓りに定評のあるフォスター社の製品だ。
対する挑戦者の獲物は今時普通すぎて誰も使わないような、ロングソード。無名の品だろう。もしかしたらフリーソフトかもしれない。
かつ、かつ、かつ。

時が刻まれる。
流れるように、歩むように。
そして、

きんっ・・・・・・・
――――――――かっ

コインが弾かれ、
落ちた。

87 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:24:30.70 ID:syevlu5c0
瞬間動く両者。
挑戦者は一瞬で陣を組み上げ、足元に加速と浮遊の「魔法」をかけていた。
なるほど、早い。
詰まる距離。
遠方から高速でせまる鞭の様な打撃であらゆる盾を回避し、
戦士自身を叩く戦法を得意とし、またそれに特化したCランクマスター、飯塚は、
その接近に対し獲物で防御するか、
間に合うかどうか解らない防御陣を張るかの選択を迫られ、

がぁああん!!!

獲物を盾にする事を選んだ。
一瞬滞空する挑戦者、その剣先から炎が噴出し、

ごばっ!!!

トリーシャが火に包まれた。
戦士戦士した獲物はフェイク。
魔法戦を得意とするタイプだったらしい。

ギャラリーが一瞬の攻防に大きくどよめき立ち、数瞬と置かずそれは大きな歓声に変わった。
無名の挑戦者がいきなりCランクマスターを押す展開を演じたのだ。
誰もが瞬殺を見に来ていたというのに、これは予想外の番狂わせ。


88 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:25:18.11 ID:syevlu5c0
炎がはれる。
そこに飯塚はいなかった。
一瞬で大量の炎を生み出す技量はさすがだが、それで相手を見失っては話にならない。
視覚でそれを確認してから周囲のスキャンを開始する挑戦者。
しかし、遅い。
視覚で見てからでは、既に手遅れ。

――――ばぁあぁあんっ!!!

まるで鉄骨でも降って来たかのように一文字に土煙が上がった。
なんの前触れも無く、しかしそれはフォスター社の「トリーシア」が炸裂したものだと、
俯瞰で見ているギャラリーはすぐに気が付いた、が、さすがにどこから攻撃を仕掛けたかまで見えたものはごく小数。
頭上。
はるか上空。
とっさのスキャンに引っかからない高高度からの、一撃。

落とされたのは、トリーシャに付与された魔法効果の「斬撃」であろう。
そして、挑戦者がそれを最大出力の防御陣である程度中和したものの、
既に試合終了に至るダメージを受けた事まで把握しているものは、
この時挑戦者自身と、遠くから眺める「キング」・・・マーボだけであった。

89 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:25:56.27 ID:syevlu5c0
「最近はレベル高いんだな。」
「ええー、あなたの位置に君臨しようと、どいつもこいつも潰し合いですね。」
「いきなり面白いもの見せてもらっ・・・・・・。・・・・・・・?」
「どうしました?」

マーボが話している相手はまさしく先ほどまで特設サーバ上で試合を演じていた飯塚である。
師匠弟子、というほどではないが、そのように認識されている仲だった。
ちなみにトリーシア・・・飯塚のエモノはマーボが往年使用していたプログラムである。
純正品を法的に許される範囲を超えたり超えなかったりのレベルで書き換え・最適化。
彼が飯塚と相対したその日まで、長く『ネタのレベルで強い武器』として認知され、webマネーの紙面に描かれたりもした一品である。。
そんなちょっとした伝説の武器を受けた飯塚は、なるほどマスターの位置でファイトマネーを受け取る側だけあってかなりの手練であるのだが・・・

「どちらさんだい。別に立ち入りを禁止してる訳じゃないけど、ノックくらいはしないとだめだよ。」

ぐにっ、と。
影が歪んだ。

「―――――はじめまして。」

そこに現れたのは、

「・・・・・・子供?」

しかし、Cランクマスターに気付かれず侵入して見せるほどの手際。
只者ではない事は明らかで。
見た目は、羽を持った少女だったが。

90 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:26:29.85 ID:syevlu5c0
「マーボさんですね。」
「お迎えに参りました。特珪研のものです。」
「天川五平一級潜行士、あなたは先ほど、特務潜行第201号に就くよう、辞令が下りました。」
「私と一緒に来てください。お仕事です。」

ぽりぽり、ぽりぽり。
天川と呼ばれたチャンプは、ずっしりとその腰を上げ。

「なんだいここまで追っかけてきてそれだけ伝えにきたのかい。」

「あなたは今、ホームからここにアクセスしていますか?」

「だったらどうかしたか。」

「すぐ自立モードを復帰した方がいい。・・・・襲われる可能性があります。」

ハタ、と。
マーボは袋と口の間を往復していた手を止めた。
しばし考え込むように袋に手を突っ込んだ状態で静止し、

じゃりっ

と、こんぺいとうのようななにかを鷲づかみにしてざらざらと口に押し込んで、言った。

91 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:27:17.97 ID:syevlu5c0
「なんぞやばい仕事かね。」

「はい。国の財産が危機に瀕しています。」

「・・・・・・・。解った。すぐ向う。」

そう言いながら、既にマーボの輪郭は光になり。

「飯塚ー、また今度くらぁな。オーナーによろしく。」

「あ、はい。お勤めご苦労さんです!」

光の束は、一つの棒となり、線となり。
バーチャルシティーの空へ登り、消えた。

で。

92 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 01:27:39.45 ID:syevlu5c0
「あ、じゃあ私もお邪魔しましたー。」

「あ、はい。こちらこそなんのお持て成しもできませんで・・・・・・。」

「ではではー」

こちらの少女は影として、空間に溶けるように、消えていった。

どちらも。
ドアを使わずにこの空間から。
消えていった。

まったく自然にやってのけられたしかしそれは、潜行士免許を取得する意志はあっても未だ実業経験に乏しい飯塚には、いやそれでもある程度の力量のある飯塚だったから解る事なのだが。

まったく、魔法使いに違いない所業であった。

「・・・・・・。妖怪ですかあんなたらは・・・・・・。」

暗い個室に、そのつぶやきだけが残された。

「あ、溶ける、=溶解、と、妖怪。かかってるな、これwww」

つぶやきだけが残された。

93 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:29:52.75 ID:z4UK7nj00
*ORIGIN

電子の海を行く私達。現在、RAY内部です。
私達――12名は電子の海を潜行しています。
潜行先は――美潮型三十五号機、私の妹です。

申し遅れました。
私、美潮型二十七号機、愛称は『にな』と申します。
妹に潜行するという行為は、とても興味深いのですが、残念ながら事態は一刻を争います。

任務をこちらにも転送致します。
ご確認下さいませ。

94 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:30:16.82 ID:z4UK7nj00
・任務内容
美潮型三十五号機の復帰。
復帰のため、断片化したデータのサルベージを行う。
・準任務(可能であれば行う任務)
三十五号機に潜行する浅川まりえ(A)の確保。
・潜行者氏名
*第一チーム
白山菊理
ヴィクター・ホスティン
美潮型二十七号機(オセロット)
*第二チーム
浦 小道
麻婆(仮名)
美潮型三十七号機
*第三チーム
常世(仮名)
望月 アヤメ
美潮型三十号機(空耳)
*第四チーム
浜島 敦子
笹川 愛
美潮型三十三号機(亀)

接続チューブ内を潜行中。
電子の球体が映像として現れる事を、無駄な行為と取るか、演出として取るかは人様の判断に任せましょう。
――そろそろ、基幹部へ到着致しますわ。

95 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:30:48.89 ID:z4UK7nj00
OOPARTS
(PLAYER SELECT)

到着、です……。
と、とても変わっています……。あ、いけない……もっと具体的に……。
私の妹だけはあります……すごく複雑な回路がこのRAYを構成しているみたいです……。

あう……。

えと、美潮型三十三号機、『みさ』といいます……。
あんまり、結果が良くなかった物ですから……妹や姉様達に対応した拡張パーツの試験隊として頑張っています……。
今日の装備は、亀の甲羅をもした電子戦装備(物騒です……)と、拡張ディスプレイを兼任した眼鏡です……。
私の所属する、第四チームはここをベースキャンプにして情報解析をする係となります……。

「じゃ、お願いね。みさちゃん」
優しく笑いかけるにな姉様は、やっぱりあこがれの存在です。
「バックアップよろしくです。 おねえちゃん」
みなちゃんもやる気十分みたい。私もこれだけ元気があればなぁ……。
「はい、わたしも頑張りますよー」
誰と話しているんでしょう、みお姉様は……?

私も準備です。
電子戦装備を展開して……。
「準備完了です。RAY探索、お願いしますっ……」

小さな声に皆様が三々五々、ばらばらと行った感じで解散しました。
あうあうあう……もっと大きい声の方が良かったかな……。

96 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:31:22.71 ID:z4UK7nj00
移動する皆様へ、今までの潜行より判明したマップを送りました……。
頑張って……くださいっ……。


……私も頑張らないと。
皆様の泳ぐ姿。光をまき散らすような9人分の舞を見て、そう思ったんです。
綺麗です……。
高速で、迷い無く。

勿論待つ私達も……高速です。

――――美潮同士の通信
さあ、頑張ろうね。
うんっ、がんばるです! おねえちゃんを助けるですよ!
……ん、あ? 呼んだ?
呼んだわよ……。
はいはい、うん。 がんばるよー。
姉様……不安になっちゃいますよぉ……。
頑張りなさい。私達が頑張らないと、みこちゃんは帰ってこないのよ?
――頑張ります……。
はいっ。
おー。
……気が抜けるわ……。

97 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:32:42.75 ID:z4UK7nj00
では開始しますよ、第一チームより行動開始

98 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:38:22.12 ID:3XylGgX90
菊「さーてと。どこからまわりましょうか?」(のんきに呟く)

ヴィ「そうですねー>>103とかどうでしょう?」

菊「そう、じゃあヴィクター君の言うところにしましょ、」


>>103
どこへ行くのか指定をしてください

99 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 01:39:20.34 ID:VuUvrmiK0
ksk

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 01:39:41.28 ID:W16txHJv0
ksk

101 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:40:19.53 ID:z4UK7nj00
俺もkskに参加w

102 名前: 【小吉】 :2006/07/01(土) 01:40:48.35 ID:1HxGnTtj0
ksk

103 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 01:41:26.91 ID:VuUvrmiK0
NN

104 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 01:47:17.81 ID:z4UK7nj00
把握ですお
――Now Loading――

105 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:52:31.97 ID:3XylGgX90
 三人はNNに向けて進んだ。

菊「になちゃんナビゲートして――」

ヴィ「僕……高いところ苦手なんですよ」

 ゆっくりと空を落ちる三人。さながらパラシュート降下のよう。
 このエリア一体は"都市"だった。高層ビルがそびえたち、道路を車が行き交っている。

にな「どうやら無人のようですね」

ヴィ「なんか変な感じしません?」

 都市は完全な無人だった。動きはあるが人は皆無。無人の車が道路を走っている。

菊「――影?」

 緩やかに着地。やはりそこに人はいない。しかし人の"影"だけが動き活動していた。
 違和感はまだある、街角に佇立する時計の針は異様な速さで進んでいた。

106 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:53:14.23 ID:3XylGgX90


*行動を指定してください

107 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 01:54:37.74 ID:VuUvrmiK0
平衡感覚を確認後、壁を触れたり影に触れたり

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 01:54:40.48 ID:7JF26/Gz0
影を踏む

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 01:55:05.62 ID:W16txHJv0
影を追跡してみる

110 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 01:55:50.61 ID:1HxGnTtj0
脳みそが働かないよぉ……

適当に大声を上げるとか

111 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 01:58:26.42 ID:3XylGgX90
>>107
ヴィ「平衡感覚は……」

菊「んー、"普通"ね」

にな「壁は普通の"壁"です。質感もコンクリートのそれです」(壁を叩きつつ)

ヴィ「影は触れませんねえ。すり抜けます」(通り過ぎる影に手をかざすが、すり抜ける)

112 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:02:07.73 ID:3XylGgX90
>>108
ヴィ「……白山さん、何してるんですか?」

菊「え? ああ、影を踏んでるの。影ふみよ影ふみ。やんなかった?」(影をげしげし踏んでいる)

ヴィ「いや……わかんないですけど。なにか分りましたか?」(あきれ口調)

菊「……全然。何も読めないわ。ただの影ね」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 02:02:49.99 ID:7JF26/Gz0
個性さんの埋没と時間の洪水……?
何か面白そうな建物とかない?

114 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:04:12.10 ID:3XylGgX90
>>109
ヴィ「影を追跡……ですか」(辺りを見回し)

にな「一般人と変わらぬ行動様式ですね。まるで普通の街中のようです」

菊「全部影、って所を除けばね」

115 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:08:06.83 ID:3XylGgX90
>>110
菊「大声ね。えーっと、になちゃん? できるだけ大きな音、出せる?」

にな「はい、大声ですね。可能です」

菊「実行して」

にな「!!!!!!!!!!!」(になは大口を開けて叫んだ)

ヴィ「ひゃあ! 耳がー」(あまりの音量にビビる)

 影たちは一瞬立ち止まり、こちらに注意を向けたが、すぐにもとの行動に戻った。

116 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 02:08:54.49 ID:1HxGnTtj0
住人と音での接触は無理か?よくわかんないから保留

こうなったら時計の針をくるくる……

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 02:09:00.40 ID:W16txHJv0
照明をもって影を消滅させる

118 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 02:09:54.26 ID:VuUvrmiK0
一応向こうからも認識されてるのかー
とりあえず街中散策

119 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:10:10.82 ID:3XylGgX90
>>113
ヴィ「面白そうな建物は……ありませんね」

菊「皆いたって普通。オブジェクト達からはさして重要なコードは読めないわ」

120 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:15:11.88 ID:3XylGgX90
>>116
ヴィ「ん、ぐぐ、う」(時計の針に力を入れて動かそうとする)

菊「どう? ヴィクター君。動かせる?」

ヴぃ「んんん……っぱあっ。ダメです弄れません」

121 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 02:16:21.62 ID:1HxGnTtj0
建造物破壊して回る。
住人と接触取る方法思いつかなかったw

122 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 02:17:03.70 ID:VuUvrmiK0
影絵で対抗

123 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:17:40.95 ID:3XylGgX90
>>117
ヴィ「照明ですか」

菊「ちょっとやってみるわ」(ランチャを起動しプログラムを呼び出す)

 菊理が手を掲げるとその上に輝く光が生まれる。
 光に照らされた影は夕焼けを浴びているようにぐんぐん伸びる。

にな「光による消滅は不可能ですね」

124 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:18:50.90 ID:3XylGgX90
>>118
菊「どこもかしこも普通の町ね」

ヴィ「時間が早いことを除けば、ですが」

125 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:23:36.52 ID:3XylGgX90
>>121
菊「TSPスタンバイ」(崩壊因子をばら撒く)

ヴィ「ちゃんと手加減してくださいよー」

菊「分ってるってば――実行!」

 周囲の建物の外壁や道路が砕ける。
 砕けた場所に影達が集まりだし、修復を始めた。

にな「修復作業をしていますね」

126 名前: 【大凶】 :2006/07/01(土) 02:24:35.49 ID:1HxGnTtj0
>>125
誰が壊したとか気にしてない?

127 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:25:45.91 ID:3XylGgX90
>>122
菊「ヴィクター君? 影絵ってできる?」

ヴィ「はい……えっと」

 ヴィクターが影絵を作る。犬だ。
 影の犬はにわかに震え出し、自立して動き出した。

菊「わあ、おもしろいわねー」(素で喜んでいる)

128 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:26:50.77 ID:3XylGgX90
>>126
にな「影達に破壊活動に対して修復以外のアクションをとる者は見受けられませんね」

129 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 02:27:02.82 ID:VuUvrmiK0
自分達の影の様子を確認

130 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:27:33.44 ID:3XylGgX90
菊「になちゃん? どうかした?」

 二十七号機の眼が特定の人影を追っていた。

にな「みこです……あのシルエットみこちゃんの形です」

菊「三十五号機の?」

131 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:28:48.26 ID:3XylGgX90
>>129
ヴィ「えっとー」

菊「普通、ね」

にな「はい、通常をなんら変わりありません」

132 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 02:31:00.80 ID:VuUvrmiK0
他に見覚えのあるシルエットがないか注意しつつしるえっとみこちゃん追跡

133 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:36:32.04 ID:3XylGgX90
>>132
菊「とりあえず、追いましょう。になちゃん、ちゃんとログとってる?」

にな「はい」

 三人は三十五号機の影を追った。
 影は街中を移動し、ビルの中へと入った。
 ビルはある程度の高さを持って、静か佇立していた。

ヴィ「このビル、結構高いですね……」

134 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:40:22.06 ID:3XylGgX90
菊「とりあえず上ってみましょうか?」

ヴィ「非常階段がありますね……屋上まで続いているのかな?」

にな「そのようですね」

 三人は非常階段をつかって屋上まで上がった。

135 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 02:52:33.98 ID:3XylGgX90
 屋上には三十五号機の影があった。二十七号機が影に近づく。
 影はこちらに向き直って――たぶんそうだろう、なにせ影なもんだから前後が不確定だ――何かを差し出した。
 それは四角い"何か"だった。二十七号機がその"何か"を受け取る。
 受け取った瞬間に、それは輪郭を明確にした。

菊「ノート?」

 B5くらいのノードブックだった。二十七号機はノートを開く。
 そこにはペンでこの街のものと思しきマップが記されていた。
 とある場所がまるで囲まれている。どうやら何かの印のようだ。

136 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:00:29.56 ID:3XylGgX90
 三人がマップを確認していると、三十五号機の影に動きがあった。
 ゆっくりと、慇懃な礼をする。なぜかヴィクターはそれにこたえて頭を下げた。
 影は緩慢な動作で左右に手を動かす。

菊「行ってらっしゃい、ってことかしら?」

ヴィ「なんかそんな感じですねえ」

137 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:02:45.09 ID:3XylGgX90
 三人はマップを頼りに街を移動する。
 マップは一応正確なようで、迷うようなことは無かった。
 角をいくつか曲がり、通りを横断し、目的の場所に到着する。

 そこは公園だった。

 影は見当たらず、全くの無人。

138 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 03:11:29.58 ID:JrEI43KTO
遊具は?

139 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:16:09.47 ID:3XylGgX90
>>138
菊「あらあ、こりゃまたノスタルジックな公園ねえ」(おっとりと呟く)

ヴィ「ジャングルジムにシーソー、像の形をした滑り台までありますね」

にな「現実ではめったに見ないものですね。私はライブラリでしか見たことがありません」

ヴィ「僕も同じく」

菊「なんだかジャネレーションギャップを感じるわ」(しみじみ)

140 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 03:16:33.60 ID:VuUvrmiK0
園内の構造物を形状・材質等詳細まで確認

141 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 03:18:44.26 ID:JrEI43KTO
象の形をした滑り台の先を掘ってみてください

142 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:32:15.19 ID:3XylGgX90
>>140
>>141
菊「ちょっと読んでみるわね」(解析ツールを走らせる)

ヴィ「んー、なんでしょうね。この公園、無駄にデータが大きくないですか?」(軽くデータを読み込んで言う)

菊「……そうね、サーフェイスモデルを構築しているのとは別の、なんだか無駄なデータがあるわね」

にな「そうですね、この公園。見かけの割には結構なデータ量を占有しているようです」

ヴィ「ところで、白山さん。なんで滑り台周りを掘ってるんですか?」

菊「いやあ、なんか見つからないかと思ってね。タイムカプセルとか」(視覚化したスコップで掘る)

ヴィ&にな「たいむかぷせる?」

菊「なんかまたジェネレーションギャップが……そして土しか出てこないし」(なぜか落ち込み気味)

143 名前: 【大凶】 :2006/07/01(土) 03:36:36.85 ID:VuUvrmiK0
ノートの中を確認。公園に関係しそうな記述を洗う

144 名前: 【豚】 :2006/07/01(土) 03:38:37.79 ID:qMiRmpmc0
無駄なデータって、視覚的に 『このあたりに集中してる』 みたいなのってありますか?

145 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:39:03.20 ID:3XylGgX90
>>143
ヴィ「それらしい記述はありません」

菊「ただ、この公園を指し示す印のついたマップがあるだけ。その他は白紙ね」

146 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:41:37.77 ID:3XylGgX90
>>144
菊「特にそんなのは無いわよ?」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 03:48:14.98 ID:JrEI43KTO
それらの遊具の配置を

148 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:52:15.17 ID:3XylGgX90
>>147
ヴィ「配置は、特に規則性やその他の違和感は無く、極めて普通といった感じですね」

菊「そうねえ」

にな「そうですね」

(三人ともベンチに座ってまったりしている)

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 03:53:14.96 ID:JrEI43KTO
普通……他に何かないの?

150 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 03:58:14.11 ID:3XylGgX90
>>149
ヴィ「他にって言われても……」

菊「普通よねえ? えーっと、植木に街灯に複数の遊具とベンチ……以上! THE公園。公園オブ・ジ・イヤー受賞。公園イズ公園」

にな「一般的な公園となんら代わりの無い施設ですね」

151 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 04:00:38.15 ID:z4UK7nj00
今日はこのエリア終わったら終了にします、すんませんorz
自動保守奔らせて明日また、9時頃からで

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:09:57.90 ID:JrEI43KTO
人の気配は?

153 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:11:44.64 ID:3XylGgX90
>>152
菊「全くないわね」

ヴィ「この区画にいる人は僕達だけです」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:14:27.14 ID:JrEI43KTO
シーソーで遊んでみよう!

155 名前: 【豚】 :2006/07/01(土) 04:15:31.87 ID:VuUvrmiK0
外灯を調べる…なんか壊してみる

156 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:16:23.41 ID:3XylGgX90
菊「ちょっと詰まってきたわね……この公園を解析に回しましょう」

ヴィ「そうですね、本部のほうで解析してもらえば何か分るかもしれません」

菊「になちゃん? ここの座標、本部に送ってちょうだい」

にな「はい……完了しました」

菊「私達はもう少しここで調査しましょっか」(立ち上がり、遊具のほうへ)

ヴィ(あの人は遊ぶ気まんまんな気がする……)

157 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:24:46.13 ID:3XylGgX90
>>154
>>155
ヴィ「街灯は……さしあたって違和感や異質感はありません」

菊「ヴィクターくーん! こっちこっちー」(シーソーに乗って手招き)

 ヴィクターは溜息をつきつつシーソーへと向かい、菊理に促されるまま跳ね上がっている正面の板に腰を下ろす。
 その瞬間シーソーは抵抗無く地面にぶつかった。菊理の重さは微塵も感じない。

菊「ヴィクター君って見かけによらず重いのね」

ヴィ「違いますよ、これ……なんか変だ」

 ヴィクターが地面を蹴ると瞬時に上死点まで跳ね上がり、次の瞬間にはまた地面に落ちる。
 シーソーの動きはやけに機敏だった。

158 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 04:29:07.92 ID:VuUvrmiK0
シーソーの動きも時間の進みが速いのに関係しているのかな…
支点やシーソーの下とかを調べる
ブランコやらの運動も確認

159 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 04:30:46.40 ID:z4UK7nj00
――CCにおいて。
敦子「第一チームへ連絡だ」
みさ「はいっ」
愛「うーん、なんだろね」
敦子「なんだろうなぁ」
みさ「ご、誤動作の確率2%ですっ、大丈夫です……」
敦子「別に疑っちゃいないさ」
愛「そぉそぉ、なんせこの愛ちゃんが気づいたんだからねー」
敦子「……なんだかなぁ」
みさ「送信……完了しました」
敦子「おう」

――メイル
構成オブジェクトと重力関連オブジェクトに差違あり。
構成オブジェクトに対し、重力指示が1つ足りず。
よって、ある1つの物体が浮遊していると計測。

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:35:55.22 ID:JrEI43KTO
ジャングルジムに上って上をみてみる

161 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:35:59.20 ID:3XylGgX90
>>158
 二人はシーソーの周りを調べた。
 シーソーの構造は全く普通で、異常なのはその動きだけ。指先で少し触れただけでも激しく上下する。
 その下に何か設置されていないと調べてみるも、そこはただの地面。
 ためしにブランコを揺らしてみたが、その動きはいたって普通だった。

菊「このシーソーだけが特異な存在みたいね」

 腕を組みフサフサの尻尾を揺らしながら、菊理はううんと唸る。

162 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 04:38:58.72 ID:VuUvrmiK0
シーソー上空を見上げる・・・

163 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:39:02.48 ID:3XylGgX90
>>160
ヴィ「ジャングルジム……ね」

 ヴィクターはジャングルジムに登り上を見た。
 はるか彼方にうっすらと影が見えるようだが、それが何なのかは分らない。

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:40:45.83 ID:JrEI43KTO
撃ち落とす

165 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:44:37.18 ID:3XylGgX90
>>162
菊「こっちにもあるね」(上空を見上げて眼を細める)

>>164
菊「中るかな?」

 菊理はアサルトコードを呼び出し、影めがけて投げつける。
 しかし光の矢はそれをすり抜け空の彼方へ……。

菊「んー、だめねえ」

166 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:46:41.35 ID:3XylGgX90


*シーソーの上空とジャングルジムの上空にある影は同一のものです

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:46:57.36 ID:JrEI43KTO
それらの浮遊しているものの中点を掘ってみる

168 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 04:47:14.23 ID:VuUvrmiK0
照明で照らしてみる

169 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 04:47:28.95 ID:z4UK7nj00
>>167
スンマソorz
誤解につきスルーさせて貰う(;´Д`)人

170 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 04:49:43.28 ID:z4UK7nj00
浮いてるのは1つだけなんですよ

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 04:50:35.54 ID:JrEI43KTO
>>170
把握
じゃあその真下を掘る

172 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:54:42.06 ID:3XylGgX90
>>168
にな「上空の影も他の影と同じようですから、一方向からの投光でその輪郭を明確にできるのではないでしょうか?」

菊「そうね……やってみる?」(プログラムを呼び出しつつ)

ヴィ「お願いします」

 菊理はプログラムを宙に放って実行した。強力な光が生まれ、照らされた影はその姿を露にする。

にな「影の形状は丸ですね」

173 名前: 【ぴょん吉】 :2006/07/01(土) 04:59:25.67 ID:VuUvrmiK0
シーソーの上でジャンピング


174 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 04:59:45.23 ID:3XylGgX90
>>171
ヴィ「まーた、掘ってるんですか?」(半ばあきれた声で)

菊「何かあるかもしれないでしょ?」(スコップで地面を掘りつつ)

ヴィ(白山さんの前世は炭坑夫に違いないな、うん)

にな「シーソーがすごく揺れてますが、大丈夫ですか?」

菊「ううう、何にも無い……シーソーがバタバタうざい……」(諦める)

175 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 05:08:14.98 ID:3XylGgX90
>>173
菊「あ、ねえ? このシーソー使ってあの影まで飛べないかな?」

にな「なるほど……可能かもしれませんね」

菊「というわけでヴィクター君お願い!」

ヴィ「ええー、僕ですか? 僕、高いところは苦手なんですってば」

菊「いいからいいから、乗った乗った」

 菊理は尻尾をパタパタさせて嫌がるヴィクターをシーソーへと乗せる。明らかに楽しんでいる。
 シーソーでスタンバイしているヴィクター。菊理はその反対側、跳ね上がっている板の前まで来ると、おもむろにプログラムを構築し始めた。
 数十秒で組みあがったそれは巨大なハンマーだった。

菊「いっくわよー! ――それ!」

 ハンマーを振りかぶり、跳ね上がっている板を叩く。猛然と跳ね上がった板に吹き飛ばされ、ヴィクターは砲弾のごとく宙へ放られた。

ヴィ「みょえええええええええええええええ!1!!!!」

菊「がんばれー」(にこやかに、そして無責任に)

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 05:14:38.16 ID:syevlu5c0
飛んだよw

177 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 05:17:07.42 ID:3XylGgX90
 ヴィクターはそのまま薄い影へと突き進む。
 その顔は風圧と恐怖でベリーファニーだったが、誰にもその顔を見られることが無かったのは不幸中の幸いだろう。
 必死に影に手を伸ばし、

ヴィ「ととと、とったあ!」

 つかむ。手に触れた瞬間その影は姿を変えた。それは先ほどのノートが影から解き放たれるのと同じような感覚。
 そしてその丸い影の正体はデータの集合体だった。

ヴィ「っておおおおおちぃぃぃぃぃるううううぅぅぅぅぅぅ」

 悲鳴をあげて落下するヴィクターが地面に衝突するかしないかの直前に、コードが弾けた。
 菊理が衝撃緩和のために設置していた保護用コードだった。
 柔らかくバウンドしたヴィクターはどうにか上手く着地に成功。安堵の溜息を盛大にもらした。

菊「はい、ごくろうさま」

にな「お疲れ様です」

ヴィ「ううう、こわかった……」

178 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 05:20:21.83 ID:z4UK7nj00
*CCにて
みさ「データ取得、確認しました」
敦子「本物か?」
みさ「た、多分……」
愛「解析しちゃうよ、とりあえず持ってきて貰おうよ」
敦子「そうだな、第一チームに撤収指示。目的の物を送ってきてもらえ」
みさ「はぁい」

179 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 05:28:40.02 ID:3XylGgX90
菊「さて、とりあえずは得るものを得たし、いったん本部へ戻りましょ?」

にな「そうです――あ、丁度今撤収の命が出ました」

ヴィ「美潮シリーズの通信機能って便利そうですねえ」

菊「さすがは美潮型ね。今回の作業では結構使うことになりそうだからよろしくね、になちゃん」

にな「はい。ご期待に沿える様、努力します」

 そして三人はNNを後にし、本部へ帰還した。

*NN終了

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 05:29:25.05 ID:syevlu5c0
おつですー!

181 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 05:29:47.72 ID:z4UK7nj00
えー、朝までお付き合いいただきありがとう
自動ホシュ走らせて、続きは夜にて
8〜9時頃になります

〜保守中〜

227 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 20:13:46.23 ID:z4UK7nj00
ふーい、生き延びたっと

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 20:21:47.14 ID:rnTvpeux0
のびたー!

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 20:28:02.54 ID:7JF26/Gz0
スネ夫ー!

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 20:40:07.67 ID:rnTvpeux0
じゃいあん?

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:01:03.37 ID:rnTvpeux0
今しばらく保守

232 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 21:03:46.88 ID:z4UK7nj00
色々きついけど再開しますよ(つД`)

233 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:08:03.26 ID:rnTvpeux0
二番バッターいきまーす

人がいたら挙手お願いねー

234 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 21:10:06.93 ID:z4UK7nj00
*序文がてらに、朝の続き

――CCにて
敦子「よし、魚。お前データの解析頼む」
愛「魚言わないでよ。やるけどさ……」
敦子「みさはあたしと、他のチームを補佐」
みさ「は、はいっ」

愛「んお? ゴミデータ?」
みさ「そんなのが付くなんて、みこちゃんらしくないですよ……?」
敦子「よし、保存しとけ。何か解らないし」
愛「はいはいー。A4BB……なんだろ?」
敦子「さぁなぁ……調べてみるか」

235 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:24:11.32 ID:rnTvpeux0
しゅたっ。

浦「やぁ。」

麻「ああ。」

それだけで通じる野郎二人。
そして。
一人は、『首から下は地位武雄』、ひとふくろうのようなマスクを使用した潜行士、浦小道。
古い潜行士である彼の習慣はやはり古く、こうして極端なデフォルメがされた『誰だか解らない』レベルでの偽装が施されたマスクをよく使う。
これは潜行士が世界規模で脅威とされる『人間兵器』………言うなれば人間国宝の兵器版となりえる時代に、その容姿から特定を避けるための措置だった。
現在はほとんど擬人化したデータとして、インタフェースなどの役割しか持っていない。

もう一人はスキンヘッドの大男だった。
詳しくはボーうわなにをするやめ亜w背drftgyふじこlp;@:「」

そして、異分子が。

ミナ「早速で好けど移動ですよー。チームリーダーは浦さんでよろしいですね?」

野郎二人に囲まれた幼女が一人。犯罪の匂いがする。
ただし……少女は浮いていたが。

236 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:27:13.16 ID:rnTvpeux0
麻「いいんじゃないか?」

浦「……。ふむ。了解です。では自分がこの班のリーダーを勤めましょう。」

ミナ「では班長。移動先を。」

浦「そうですね。ほかの方々の散り具合から見て……

>>241

が妥当ですかね。」


237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:27:54.39 ID:9Ymbds6U0
ksk

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:28:04.75 ID:W16txHJv0
ksk

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:28:32.30 ID:pjdo2sYC0
ksk

240 名前: 【豚】 :2006/07/01(土) 21:29:27.40 ID:j2k8wqEh0
ksk

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:29:38.97 ID:ARk6pPd5O
ハッテン場

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:30:24.56 ID:ARk6pPd5O
ハッテン場な公園ベンチ

そしてウホッな男が

243 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:31:00.91 ID:rnTvpeux0
浦「ハッテン場ってどの辺かわかる?」

ミナ「あなたどこ行こうとしてるんですか」

麻「そーねー、一応年頃の娘のRAYだしねー……あっちのほうじゃないか?」

>>次

244 名前: 【大凶】 :2006/07/01(土) 21:32:01.04 ID:j2k8wqEh0
NE


245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:32:37.80 ID:ARk6pPd5O
公園

246 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:34:44.31 ID:rnTvpeux0
麻「NEだな」

浦「ではそちらに向いましょう。」

ミナ「先に言っておきますけど……」

ミナ「ハッテン場はありませんよ。」

麻「………チッ」
浦「当たり前でしょう」

ミナ「では出発しましょー」

浦「ああ、待ってください。」

麻「ん?」
ミナ「はい?」

かつ、かつ、かつ。
浦は二人の前に歩み出る。

浦「今回の作戦は貴重な精神とゴーストの救助であると同時に……
 あなた、ミナさんにとってはお姉さんに当たる方の救出です。」

ミナ「…はい。」

247 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:35:18.42 ID:rnTvpeux0
浦「社会的にも学術的にもここで美潮型35号を失う事は誰が望む事ではありません。
 今も現実世界で私たちに多くの期待が寄せられています。そして私も、あなたたちに期待しています。」

麻「…おう。」

浦「しまっていきましょう。」

すっ、と。
浦が手のひらを突き出した。
大きくブ厚い手のひらと、小さな細工のような手のひらが重なる。

『おーっ!』

浦「以上で決起集会を終了します。……まぁ、こう言うのはやっと居た方が賢明ですから。いろいろ。」

麻「じゃあ俺が先頭で道作る。ミナは殿を務めてもらおう。あんたは即応体制で待機。」

ミナ「妥当ですね。」

浦「じゃあ、出発です。」

GO

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:36:16.89 ID:W16txHJv0
NEは鬼門だから注意シテネ

249 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:40:16.23 ID:rnTvpeux0
そこは。

船の上だった。

ミナ「一面海ですねーーーー私海っていったこと無いんですよ。」

麻「ってもこんなに綺麗なもんじゃないらしいけどね。もっと黒くて深いものだ。」

浦「そうらしいですね。場所にもよるようですけど。」

ミナ「『RAYは現実に失われた人の持つ願望を反映する』……ですか。」

浦「この船。ただ浮かんでるだけのようですね。」

麻「小奇麗なもんだなぁ。だが……」

がぱっ。

麻「エンジンが無い。船の価値ってのは船体とエンジンできまる。」

ミナ「予算が無かったんですかね……」

浦「……ふむ」

250 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:45:23.01 ID:rnTvpeux0
麻「船室狭いな……俺は入れねぇや。」

浦「この陽射しは…少々堪えますね。私は中にいますよ。」

ミナ「こんないい天気なのに……。」

麻「雲ひとつ無い。陽射しは鋭く、しかしカラリとして気持ちがいい。」

浦「動力の無い船が……綺麗な海に浮かんでいる。あるいは、すがすがしい日の光と太陽のもと晒されている。

 さて、じゃあマズはどうしましょうかね。」

>>自由安価



251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:46:53.37 ID:9Ymbds6U0
浮かんでるだけ、ってことはロールやピッチは全く無い?

252 名前:取り逃し亜人 ◆c6bw2Zi7Iw :2006/07/01(土) 21:47:24.31 ID:Fc2DHA8j0
どうすればいいんだ?

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:48:43.02 ID:t54K2vX90
海に生物はいる?

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:49:41.71 ID:W16txHJv0
エンジンをインストールしてみる

255 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 21:50:18.67 ID:j2k8wqEh0
とにかく全船室チェック

256 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:50:40.08 ID:rnTvpeux0
>>251

浦「舵は……動くようですね。」

麻「だが変化は無いぞ。」

ミナ「おもかじいっぱーーーい!!」

くるくる

浦「遊んじゃいけません。」

>>252

浦「(そうすれば……いやどうすればいいか、は考えようよ。)」

麻「綺麗な海だな。……泳げないものかね。」

ミナ「ドリンクが欲しいですねー…南国。」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:52:28.03 ID:PVK7dpO00
船はどこかに流されてる気配ある?

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:53:59.89 ID:s3PlsPWq0
近くに島は?

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:56:30.71 ID:9Ymbds6U0
船舶の規模や概観をkwsk

260 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 21:56:31.11 ID:j2k8wqEh0
空や太陽の様子は?

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 21:56:46.82 ID:ARk6pPd5O
海流は?
速度と向きkwsk

262 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 21:58:00.29 ID:rnTvpeux0
>>253

麻「釣りがしたいなぁ。ミナちゃん、船室内に釣竿はあるかい。」

浦「カジキが釣れそうですね。マグロが釣れたら刺身にしましょう。」

ミナ「釣竿〜……は。ありませんね。出しましょうか?」

麻「ん………今ちょっとスキャンしたけど。」

浦「うおっまぶしっ」

麻「生物は見当たらないな。」

ミナ「…そうですか。…釣りしたかったんですけどね。」

>>254

ミナ「エンジンのインストールはどうでしょう。」

浦「できなくはありません。回線開けてますし。私には組めませんけどね。」

麻「だが、エンジンをインストールしてどうするんだ?どこかに行くのか。」

浦「それに…あまり大質量のタッピングは危険です。」

263 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:02:22.42 ID:rnTvpeux0
>>255

ミナ「ん……?」

浦「だから日焼け止め塗らないと私すぐぺりぺりなっちゃうんですよ。」

麻「おれはよく海水浴に行くけどな。義体化率高いから北半球でも泳げるぜ」

浦「錆びそうですね……」

ミナ「あのー。トップウォチがありましたよー」

ストップウォッチ――5:00と表示されている。

>>257

浦「流されてますか?」

麻「いいや。波で行ったり来たりはしてるな。」

ミナ「漂流、でいいんですかね。流されてはいませんけど。海流の無い海域ってあるんですか?」

264 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:07:30.07 ID:rnTvpeux0
>>258
浦「島はありませんか」

麻「……いいや。無いな。・・・むぅ・・・。」

ミナ「あの、もしかして…」

浦「あんまりスキャンしすぎると感覚が鋭敏になりすぎて酔い易くなりますからねー」

>>259
浦「個人所有クラスですね。あまり大きくは無い。ちなみに私もこれくらいの船所有してますよ。」

麻「意外だな。詐欺にでもあって買わされたのか。」

ミナ「独身男性をターゲットにした悪質なヤツですね…」

>>260
浦「とても普通…いたって普通。」

麻「海流もとくにはない。速度は…波で前後しているため速度0というのが正しいか」

ミナ「酔い止めだしときますね。」


265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:08:34.64 ID:9Ymbds6U0
ストップウォッチのボタンを押す

266 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:10:36.32 ID:rnTvpeux0
>>261
ミナ「このまま浮いてるだけってのも……何か方法は…」

                    ぱきっ
浦「……?」
ぱきぱき        ぱきぱき
麻「なにか…おと」                              ぱきぱき
    ぱき…          めりめりめりっ!!!
ミナ「……麻さん…スキャンを」

ばらばらばらばら!!!

267 名前: 【小吉】 :2006/07/01(土) 22:11:18.51 ID:j2k8wqEh0
海水の成分は?

268 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:13:23.37 ID:rnTvpeux0
>>265
ミナ「………ストップウォッチがっ…!」
          ぱき          ぱきぱきっ
浦「麻さん!こっちです!」 ペキ
         めきゃっ                  ごき
麻「なん(ぱりぱり)だっつーんだよ!」 パキメキャ

ミナ「ゼロになってる…!?」

ばーん。

三人『……っ』

船は

ただの浮く『板』になってしまった。

269 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:15:48.06 ID:rnTvpeux0
>>267
浦「これはこれで趣がありますね。」

麻「『漂流してる』って感じが出ていいな。」

ミナ「さすが潜行士のお二方。動じませんね。」

麻「んあー…一応海水の成分も調べてみるな。」

浦「イカダ状の船だと、もう酔いもありませんね。」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:17:20.58 ID:PVK7dpO00
ストップウォッチが0になったのが原因で、船は崩壊した……?

271 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:19:47.23 ID:rnTvpeux0
麻「海水成分は……んあ。温帯の海水そのものだな。凝ってやがる。」

ミナ「折角ですからこの板の真ん中に棒を建てて、旗つけましょうよ!」

浦「いいですね。船の名前は解りませんけど……」

麻「もう船はぶっ壊れたんだ。サーフェイス情報は消し飛んじまったし。好きにシンボル作れよ。」

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:21:18.00 ID:t54K2vX90
まずはイカダの下を見てみよう

273 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:22:14.58 ID:rnTvpeux0
>>270
ミナ「ところでですね、浦さん。」

かくかくしかじか

浦「つまりミナさん、ストップウォッシがゼロになったのと船の崩壊は同時だった、と?」

麻「時限プログラム……あーちくしょ。ちゃんと調べておくんだった。」

浦「まだ何かありそうですね……。」

……………?

浦「いや、もう残ってるのはこの板だけ…?」

274 名前: 【中吉】 :2006/07/01(土) 22:24:35.54 ID:j2k8wqEh0
つどくろマーク

275 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:25:29.08 ID:rnTvpeux0
>>272

浦「このイカダ調べましょう。」

麻「もうやってるよ。それでだな。」

ミナ「船の……この板の裏に何かありそうです。」

浦「キましたね。これは。」

麻「ああ。さて……誰が潜る?」

『…………』


じゃーんけーーーん


※データスフィアを手にいれた!!


浦「海水でべとべとする…orz」

276 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:28:07.29 ID:rnTvpeux0
>>274

ミナ「戻る前にちょっと。」

麻「?」

浦「どうかしましたか?」

ミナ「これを…」

そう言って取り出したのは。

浦「どくろマーク。ですか。」

麻「趣味わりぃなw」

ミナ「でも…私、初めて乗った船に何か残したかったんです。」

浦「…………行きましょうか。」

277 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:28:31.93 ID:+X33R6kO0
――CCにて
敦子「ああ、了解。じゃあこっちで解析しておく」
愛「おーい、白衣ー」
敦子「白衣とか言うんじゃねぇ」
愛「じゃあ、煙草?」
敦子「……。で、なんだよ?」
愛「また出たよー」
みさ「良く分からないデータ領域です……A4E9、と……」
敦子「ふぅむ」

278 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/01(土) 22:29:24.57 ID:rnTvpeux0
エリアコンプリート!
GJです!

279 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:30:38.40 ID:+X33R6kO0
では、第三チーム行動しますよ

「さぁーてェ。私らも行こうか?」
このアヤメさんに任せておけば大丈夫よねー。
無言でうなずく暗い子と、そっぽを見ながら同意する(何を聴いているの?)擬人ドロイドって、不安ねぇ。
「何処行くよ? 帰る?」
「それは無いんじゃないですかー?」
このドロイドはー……目見て話しなさいよねぇ。
「仕事……しましょう……」
うわビックリした、いつ後ろに居たのよ?
「へえへェ」
だるいなー。
さぁ……何処へ行こうか?
*行き先指示、先着一名様です

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:31:10.48 ID:t54K2vX90
SW

281 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:34:37.41 ID:+X33R6kO0
「SW,いこう」
カンで。という言葉は飲み込んでアヤメが言う。
「はいはーい」
横を向いたドロイドが応え、無言の常世がうなずく。

アヤメ「らんたんたん」
常世「……何その歌」
アヤメ「自作ソング」
みお「らったったー」
常世「……」

意気揚々。
歩いた先、SWに着く前に壁があった。

282 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:37:46.15 ID:+X33R6kO0
アヤメ「なーんだこりゃぁぁぁぁぁぁ!?」
常世「セキュリティ、確認」
みお「おー、やる気満々な壁」

短い通路を歩いた。それだけ。
SWへ続く通路にだけトンネルがあったのが違和感だったのだが。

アヤメ「動かない自動ドアなんて、自動じゃなーい」
みお「自動排除、かな?」
常世「キィが見つかりません……。無理かも」
アヤメ「ちょっと、それじゃ全部終わらないじゃん」
常世「『今は』って、思いましょう」
アヤメ「そうだんねぇ……一旦撤退か……くそぉ」
みお「さー次次ぃ」

283 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:39:02.86 ID:+X33R6kO0
――CCにて
敦子「ああ、わかった。解析しておく」
愛「ふーむ、入れないとはねぇ」
みさ「大事な事、なの……ですか?」
敦子「女の子には秘密がいっぱいとは、よくいったもんだがなぁ」
愛「うわ、にあわなーい」
敦子「うっせ」

*というわけで、SWは潜入できませんでした

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:40:05.28 ID:JrEI43KTO
>>283
ガーン

285 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:42:22.37 ID:+X33R6kO0
*マスターパート(CC)

敦子「しっかし、うまくいくんだろうか」
愛「なぁに、今更言ってるの? ねぇ、『お母さん』?」
敦子「テメェ、知ってるのか、あたしの正体」
愛「三十号系列の母親。そのくらい愛ちゃんには解りますよーだ」
敦子「……ケ」
みさ「あうあうあう、喧嘩はやめてくださぁい……」
敦子「喧嘩じゃねー。気にするな」
愛「J.T.くらい知ってるんでしょ? ここで助けてなんの得があるの?」
敦子「だからこそ、せめてこっちくらいはいい思いさせて罰はねぇだろ」
愛「そういう事にしておくわー。まあ、むこうでいい思いしてるかもだけどね」
敦子「……だと、いいけどな」
解析は続く。
足は動かず、腕が、頭が。
加速していく。

286 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/01(土) 22:43:02.82 ID:+X33R6kO0
*第三チーム、マスターパート終わりですよ。
第一へ戻る。

287 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 22:46:33.15 ID:9Ymbds6U0
にな「私達の出番ですね」

ヴィ「どこへ行きましょうか?」

菊「そうねえ……じゃあ>>291に行ってみましょう」

288 名前: 【豚】 :2006/07/01(土) 22:47:06.69 ID:j2k8wqEh0
ksk

289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:47:19.75 ID:rnTvpeux0
ksk

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 22:48:01.20 ID:pjdo2sYC0
ksk
SS

291 名前: 【小吉】 :2006/07/01(土) 22:49:14.04 ID:j2k8wqEh0
SS

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:06:45.46 ID:PVK7dpO00
保守?

293 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:08:31.81 ID:9Ymbds6U0
 三人はRAYを泳ぎSSへと向かう。

ヴィ「どうも腑に落ちませんね」

菊「そうね……これだけ大勢が動いてるってのに、侵入しているとされる『浅川』に動きが無い」

ヴィ「美潮型のRAYだけあって。やはり複雑な構造ですが、それでも不可解な部分が多いし……」

 三人は各々の考えをめぐらせる。

菊「どちらにしろ、お仕事はきっちりこなさないとね。私達の世界、信用は大事よ。それに――」

 あたりのRAYが闇に染まり始める。
 そこは夜だった。空の彼方には僅かに夕焼けが取り残されていた。
 宙にはプレートが浮遊しており、そこへ三人は着地する。

菊「浜島さんには協力してあげたいしね」


*行動の指示をください

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:11:26.79 ID:pjdo2sYC0
周囲をよく観察するんだ
状況をkwsk

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:11:37.74 ID:JrEI43KTO
プレートの材質を

296 名前: 【大吉】 :2006/07/01(土) 23:16:22.02 ID:j2k8wqEh0
照明で周りを照らし、遠くまで観察

297 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:21:28.38 ID:9Ymbds6U0
>>294
ヴィ「夜の街、の上空ですね。下に都市の夜景が見えます」

>>294
菊「プレートの材質は……プラスティックのようね。表面は滑らかに処理されているわ。そしてこれは……」

にな「柱、ですね。黒い柱が五本、プレートの中心に並んでいます。直径は約600、先端で光が点滅しています」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:23:40.61 ID:JrEI43KTO
光の色は?

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:25:19.94 ID:pjdo2sYC0
とりあえず光るところ触ってみようぜ!

300 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:25:35.07 ID:9Ymbds6U0
>>296
ヴィ「あれ? 白山さん、何か見えませんか?」

菊「何か……あるわね」

 菊理はランチャからプログラムを呼び出し、設定を終えるとそれを宙に放った。
 それはまばゆい光を放ち闇を照らす。

にな「プレートですね……私達が乗っているのより二まわりくらい小さいプレートが、無数に浮かんでいます」

301 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:29:06.12 ID:9Ymbds6U0
>>298
にな「単一の色ではなく、さまざまな色に変化しています。とてもゆっくりと」

ヴィ「こういうイルミネーションの置物がありますよね」

菊「そうね……あたしはそういうの、あまり好きじゃないけど」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:35:02.33 ID:JrEI43KTO
小さいプレートを支えてる柱の数は?

303 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:35:56.64 ID:9Ymbds6U0
>>299
菊「ヴィクター君、ちょっと肩を貸してくれない?」

ヴィ「うえ、なんですか藪から棒に。何するんです?」

菊「発光部を確認してみるのよ。あそこまで届かないから、肩車してちょうだい」

 柱の高さは2メートルほどあり、菊理の身長では届かなかった。
 ヴィクターはしぶしぶ菊理を肩に担ぎ、立ち上がる。

ヴィ「あのう……顔に尻尾を巻くのやめてもらえませんか? くしゃみでそうです」

菊「ふうん……触った感じはプラスティックね。光源が熱を発しているのかしら? ほんのり暖かい」

ヴィ(……シカトですねそうですね)

304 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:40:19.25 ID:9Ymbds6U0
>>302
にな「柱のようなものは見当たりません。浮遊しています。数は5。形状は私達が乗っているものと同形ですが、大きさは2まわりくらいちいさいですね」

305 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:43:48.82 ID:9Ymbds6U0
 小さなプレート達は浮遊しながら一箇所に集まり始めている。
 それらは何か……陣形のようなものを組みつつあった。

306 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 23:45:50.92 ID:rnTvpeux0
陣形をkwsk

307 名前: 【吉】 :2006/07/01(土) 23:46:01.26 ID:j2k8wqEh0
棒の並びや色の変遷の様子をkwsk

308 名前: 【ぴょん吉】 :2006/07/01(土) 23:50:03.40 ID:j2k8wqEh0
五本の棒に触れる順番や触れたときの色が関係しているのかな…
もしくは、触れる色や順番でプレートが集合する際の図形が変わるとか

309 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:56:46.07 ID:9Ymbds6U0
>>306
にな「長方形のプレートたちはV字の編隊を組んでいます。編隊を組みつつ移動しています」

菊「「なんか魚が泳いでるみたいね……あ、なんか出た!」

 長方形のプレート、その各辺から薄いフィルム状のものか出る。
 形は三角形。しかしプレートの進行方向である短い辺からだけはフィルムが出ていない。

ヴィ「さながら魚のヒレのようですね」

310 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/01(土) 23:58:33.83 ID:9Ymbds6U0
>>307
菊「柱は長方形のプレートの中心に合わせて、並んで立っているわね……光の遷移は全くのランダムみたい」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/01(土) 23:59:30.78 ID:pjdo2sYC0
移動……自分らの乗ってるプレートとの位置関係は?

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 00:01:23.97 ID:Fyq9Qw1AO
今のところ色は何種類確認した?

313 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 00:02:02.02 ID:W1uuXb4G0
棒に何度か触ってみたり、プレートの運動を観察

314 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/02(日) 00:03:24.90 ID:IQst4IxH0
>>311
菊「編隊を組んだまま、こちらに寄ってきているわね」

にな「このまま行くと、V時編隊の左端がこちらに接触しそうです」

315 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/02(日) 00:11:04.43 ID:IQst4IxH0
>>312
菊「色の変化はシームレスに行われているから、正確に"何色か"は把握できないわね」

316 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/02(日) 00:21:58.02 ID:IQst4IxH0
>>313
菊「なんなのかしらねえ、この柱の"意義"は」(柱をべたべたと触る)

ヴィ「あ、編隊が崩れます」

菊「ふぇ?」(思わずそちらを向く)

ヴィ「あ、止まりました」

菊「なにようー、なんで私がそっち向いたとたんにとまるのようー。"だるまさんがころんだ"でもやってるの?」(柱に寄りかかる)

ヴィ「あ、また動いた」

にな「どうやら柱に触れている間、プレートが動くようですね」

 編隊は一直線に形を組みなおし、こちらのプレートに接触。
 まるで橋を架けているようだった。

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 00:30:51.88 ID:PokhFOqP0
とりあえず最後まで変化させて見る

318 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/02(日) 00:33:57.30 ID:IQst4IxH0
>>317
菊「どう? 変化ある?」(尻尾を振りつつ柱に抱きついている)

ヴィ「もう動かないようですね……綺麗に一列のままです」

319 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:42:46.34 ID:Ft8GU9Pg0
移転分張り

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/07/02(日) 01:07:03.53 ID:ERtG+H+30
一列の板群との推定距離kwsk
あと、別の柱にも触れてみたり


320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/07/02(日) 01:11:21.09 ID:LyUflb9G0
橋を渡ってみる


321 名前:!omikuji 投稿日:2006/07/02(日) 01:16:57.96 ID:ERtG+H+30
上を見上げてみる

320 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:43:13.33 ID:Ft8GU9Pg0
322 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 投稿日:2006/07/02(日) 01:21:36.68 ID:Y76/4m1Y0
>>319
>>320
にな「隊列を組みなおした板たちは、すでにこちらのプレートと接触していますね」

菊「柱を触っても、もう変化は見られない……ねえ? あのプレート、渡ってみない?」

ヴィ「そうですね、なにか変化があるかも――って白山さん?」

菊「なあに?」

ヴィ「なんで僕の背中を押してるんですか?」

菊「いやあ、男子たるもの度胸が大事なのよ?」

ヴィ「なのよ? じゃないでよう、まったく」(あきれた溜息)

321 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:43:40.98 ID:Ft8GU9Pg0
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/07/02(日) 01:32:20.49 ID:OqIvYRyB0
ヴィクターふぁいとー


324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/07/02(日) 01:44:21.97 ID:TQnY4+lg0
じっくり待たれよ……

322 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:44:02.04 ID:Ft8GU9Pg0
325 名前:かしわんこ ◆WTJGtkvg02 投稿日:2006/07/02(日) 01:48:31.86 ID:UR6PUgL+0
 さすがに「僕、高いところ苦手なんです」とも言えるわけが無く、ヴィクターは菊理に「あなたが行って下さいよ」と訴える。
 菊理は菊理で「いいじゃないいいじゃない」とヴィクターに橋を渡らせようとするが、思いのほか粘るヴィクターに折れて、自分が行くことにした。

菊「じゃあ、何かあったら対処お願いね?」

 菊理は恐る恐る足を踏みだす。プレートたちはしっかりとその加重を支えた。
 長い毛を揺らす尻尾でバランスをとりつつ、歩を進める。
 プレートの先まで歩いていくと、突如としてそれが上昇を始めた。

菊「ひゃあう」

 不意を衝かれた菊理は驚きの声を上げるがその間もとプレートは緩やかに上昇。

菊「え? え? なにこれ?」

 菊理を乗せたプレートはそのまま高空へとまいあがり、夜空に散りばめられた星達が目前に迫った。
 街の明かりはぼやけ、二十七号機とヴィクター達が豆粒の様に見え、やがてそれも見えなくなる。
 星の海が眼前に広がる空間。そこでようやくプレートの移動は止まる。

菊「うええ……高いようー」

 へっぴり腰の菊理。しかしそこで何かを見つけた。

菊「――あれ? なにか、ある」

 星達に隠れるようにして、データの集合体(スフィア)があった。
 手を伸ばし、それをつかむ。

323 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:44:22.36 ID:Ft8GU9Pg0
*以上、ex16より

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 02:45:34.82 ID:jIyC5bwf0
おつですー

325 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 02:51:23.75 ID:NfLxuO/y0
保守〜

326 名前:わんこ ◆WTJGtkvg02 :2006/07/02(日) 02:53:34.76 ID:QsA3swPR0
菊「ううう……データを得たのは良いんだけど」

 座り込みぼやけた街の明かりを見下ろす。

菊「どうやって帰ろう?」

 プレートを動かそうにも基礎の情報は欠けていて、この座標に固定されていたし、物理法則を書き換えるのも面倒だった。
 数分間悩んだ菊理は、

菊「……よし!」

 気合一発、プレートから飛び降りた。
 ヴィクター達の座標めがけて空間を落ちる。
 街の明かりが輪郭をはっきりさせ、ヴィクター達のいるプレートが急速に迫る。

菊「RUN!」

 目標とすれ違う瞬間に保護用コードを弾けさせ、空間を跳ねる。
 姿勢を転換し、上手くプレートに着地を成功させた。

ヴィ「おおう、すげえ」

にな「お見事、そしてお疲れ様です」

*データ回収成功

327 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 02:59:13.14 ID:Ft8GU9Pg0
――CCにて
愛「またきたよー?」
敦子「ん、ああ」
みさ「また……です」
愛「作為的な物を感じるね」
みさ「そうですね……」
愛「っておーい、たーばーこー」
敦子「ん、あ? ああすまん」
愛「どうしたのさ? ん、さっきの壁の事?」
敦子「ああ……」

――areaSW:TOXOPLAZMA――

愛「……うあ」
敦子「確かに、こりゃ厳重なわけだ」

みさ「あ、あのー。ノイズデータおいておきますね」
敦子「おお」
愛「えーっと、A4AF」
敦子「A多いな」
愛「だね」

328 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 03:00:09.82 ID:Ft8GU9Pg0
とりあえず点呼しますよ

329 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:01:53.55 ID:jIyC5bwf0


330 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 03:02:07.43 ID:NfLxuO/y0


331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 03:11:43.18 ID:0A9rkZhn0


332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 03:11:58.54 ID:R8ySOkJc0


333 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 03:13:47.82 ID:Ft8GU9Pg0
居るって……いいことだなぁ(つД`)

334 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:15:29.05 ID:jIyC5bwf0
ミナ「………来ました。行けます。」

浦「いい感じですね。では次に行きましょうか…!」

麻「ん……出発?」

ミナ「そうですよー。起きましたかー?活性チェックは済んでますかー?ぼやぼやしてたら置いてっちゃいますよー?」

麻「舐めた事を言ってくれる。」

浦「それよりも。早く行きましょう。またいつ落ちるとも知れません。」

ミナ「では指示をどうぞ、班長。」

浦「>>328

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 03:16:08.22 ID:QsA3swPR0
ksk

336 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 03:16:36.25 ID:Ft8GU9Pg0
ksk

337 名前:にゃしゃ ◆Ul0WcMmt2k :2006/07/02(日) 03:16:44.68 ID:REkAqq8+O
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/28862/1151775129/

引っ越し先だよ……(´ω`)

338 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 03:17:05.66 ID:NfLxuO/y0
WW

339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 03:17:08.03 ID:R8ySOkJc0
>>334
え〜っと…>>338でおk?

340 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:19:45.29 ID:jIyC5bwf0
浦「とりあえず点呼しますね。」

ミナ「……。」

麻「……。」

浦「すいません。間違えました。WWです。はい。」

麻「しっかりしれ。」

ミナ「では移動開始ですー」

341 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:24:33.18 ID:jIyC5bwf0
WW

そこは、狭い狭い機械で埋め尽くされた部屋だった。

どん…どん…どん…どん…どん…

浦「…………。」

ミナ「狭いですねー。前時代的な感じがして」

麻「そうか?こういう機械臭いのも俺は嫌いじゃないけどな。」

浦「この……音。」

どん…どん…どん…どん…どん…どん…

麻「頭ぶっつけそーだ。さっきから俺の体格邪魔になってばっかりじゃねぇか。」

ミナ「油で汚れちゃいそうです……」

浦「鼓動……?」


周期的な振動。それは鼓動に似た音だった。

342 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:28:51.01 ID:jIyC5bwf0
麻「まずは状況確認。狭いなぁくそ。スキャンするぞ。」

ミナ「機械の部品で埋め尽くされた空間です。いったい何の目的があるのかは定かではありません。」

浦「鼓動のような音が響いている。正直、発信源のわからない音…周期的な音はちょっとトラウマがorz」

麻「しっかりしろよ、リーダー。経験をこんなところでマイナスにしてるんじゃねえ。」

ミナ「んー、奥がありますね。マーボさん。」

麻「………。ああ。見える。…音の震源はあれだな。」

浦「……ポンプ、ですか。」


埋め込まれたポンプのようなもの。
それが心臓のように周期的な音を立て、脈動していた。

343 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:39:21.70 ID:jIyC5bwf0
//
浦「ちなみに、ここは当初目指していたWWではなくNWですよ。」

麻「ああ。実は少々問題があった。」

ミナ「CCからの天気予報がありましてー。WW方面に局地的な電磁嵐が発生…したそうです。」

浦「原因がソフトの問題化ハードの問題化はよく解りませんが……とにかく事前に察知できてよかったです。」

麻「俺は電磁的にも偏向してるし、ある程度は即席の防壁も利くんだけどね。」

ミナ「マジですか!」

浦「ですが我々にとってはミキサーにかけられるようなものですから。」

ミナ「ですねー…人体そのものへの影響は、それこそジャミングのようなものですから。
 あまり無いんですけど…いえそれでも私には脅威ですけどね。」

麻「それでケツまくって逃げ出した訳だな。急遽ルートを変更。NWへ。」

と言う訳で、NWです。

344 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:40:03.50 ID:jIyC5bwf0
浦「さて……でははじめましょうか。」

>>自由安価


345 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 03:42:34.01 ID:NfLxuO/y0
部屋の中を探索後、音の周期を計測

346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 03:49:40.06 ID:R8ySOkJc0
ポンプは何を送り出してる?

347 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:51:25.84 ID:jIyC5bwf0
>>345

浦「まずはそうですね。部屋の探索でしょうか。」

麻「無難だな。しかしこう入り組んでちゃあなぁ。いったいなにが目的で作られた部屋なんだか。」

ミナ「この部品は……一応JIS準拠リスト洗ってみましょうか?」

麻「だがこの数……スキャンでも展開しきれないくらいに膨大だ。時間かかりそうだぜ。」

ミナ「壁は……隙間無く部品で組み固められてますね。凝ってるなぁ。」

麻「そんな協会のレリーフ見るように言われても…こいつぁ骨だぜ。どうする、リーダー。」

浦「だったら、逆に考えればいいんです。」

ミナ「と、言いますと?」

浦「部品の無いようなところを探せばいいんです。」

麻「ははぁん……あったぞ。」

部屋の奥、ポンプの手前に階段を発見。ここだけ、金属で構成されていた。

348 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 03:58:08.18 ID:jIyC5bwf0
>>346
浦「このポンプ……いったい何を送り出しているんでしょう。」

麻「さぁなぁ。周期を計測したが、どうやら一般的な人間…年齢や人種、性別。もちろん個体差はあるが、だが、人間の鼓動によく似た周期だ。」

ミナ「統計提供私でーす。」

麻「とりあえずこれ以上調べようにも……ダメだな。パーツに遮られて近づけそうに無い。」

浦「どうやらパイプは壁につながりその先に…行ってるようですね。むーん。なに送ってるんでしょう…?」

ミナ「血液だったりして。」

麻「あでっ(めこっ)……っつぁーーー、頭ぶつけたっ!くそ!」

浦「薄暗いですね…」

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 04:05:12.43 ID:R8ySOkJc0
階段を降りてみる

350 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:10:00.85 ID:jIyC5bwf0
>>349
浦「手っ取り早い手段をとろうと思います。」

麻「安全対策はとったぜ。詳しい状況はわからないが、これといって凶悪なプログラムが潜在している可能性は低い。」

ミナ「狭い事は確認できました。ですがこれ以上把握するには実際に潜ってみるのが一番ですね。と言うか、その前にやれることは……だいたい終わりましたよ。」

浦「では、私が先頭に立ちましょう。マーボさんは図体がでかいので、最後に。ミナさんはサポートを。」

かつっ

皮靴が階段にかかる。そして。

とん、とん、とん、とん。

金属の階段を、浦が降りていった。

351 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:15:29.32 ID:jIyC5bwf0
浦「ん……これは。」

ミナ「支援開始。光源発生。可視光上限設定、紫外波発生、確認。」

浦「うおっまぶしっ」

ミナ「あ、すいません…」

てかてか。ライトになったミナがあわてて光量を押さえる。

浦「……やはり狭い部屋ですね。ただし…。」

ミナ「これは……花、ですかね。」

浦「こう解りやすいとかえって警戒したくなりますね。台座つきですし。」

麻「……っと…んー、四壁はコンクリートのようだな。」

コンクリート製の部屋。階段を下りるとそこには、台座に乗った花…のようなものがあった。

352 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 04:16:18.34 ID:NfLxuO/y0
花の色、種類などkwsk

353 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:22:06.38 ID:jIyC5bwf0
>>352
浦「しかし。近寄ると益々……。」

ミナ「おっきぃですねーーーー。うはぁーーーー………」

麻「花…の材質は。材質っていうか…」

浦「ええ。これは職人の一品ですな。」


その花は、工具類で出来た、花だった。


浦「どこにでもあるような工具です。」

ミナ「すごいなぁ……」

麻「よっぽど暇だったんだなぁ。作った奴は。」

354 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 04:26:24.34 ID:NfLxuO/y0
部屋の内部を探索

355 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:26:37.50 ID:jIyC5bwf0
浦「この花の種類、わかります?」

ミナ「片栗だと思います。だとすると、根もこの台座に張ってたら凄いですね…。wkwktktk」

麻「色は…構成がツールだからなぁ。」

浦「一つ一つはなるほど。硬いです。それが……どうやら溶接以外、の手段でくっついているようですね。」

麻「イマイチ目的がわからんな。BSのファイブミニッツシアターくらいしか興味を示さんだろう、こんなオブジェクト。」

ミナ「えー!こんな綺麗なのに…なんと言いますか、工業と言う自然を破壊してきたものから(以下割愛)

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 04:32:43.46 ID:QsA3swPR0
花を壊す

357 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:32:48.43 ID:jIyC5bwf0
>>354

浦「とりあえず再探索しましょう。マーボさん、スキャンを。」

麻「『分厚い壁には何かある』……往年のアクションゲームの鉄則だな。」

ミナ「隠し探してる訳じゃないんですから……いえ、それに近いですかねー?」

浦「隠しってのはクリアーしてからコンプするものですよ。無駄にそれでライフを削るのは二流のすることです。」

麻「ふん……それこそ素人意見だな。俺に言わせれば、すべてを見通すセンスがあってこそのゲーマーさ。タイムスコアを維持しつつ〜」

以下割愛。

浦「確かに第一級になるほどでしたらそれくらいの実力はあってしかるべきですけど。」

ミナ「再スキャンで何か見つかりましたかー?」

麻「…………コンクリの壁だけど何か。」

部屋の中には台座に乗った花しかない。

358 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:40:49.72 ID:jIyC5bwf0
>>356
浦「んーーーーー。」
麻「あーーーーー。」

ミナ「?どうしました?」

浦「いやね。」
麻「うむ。」

ミナ「…………ま、まさかっ!!?」
浦「ミナさん、これも使命あっての行動です!南無3!」
ハンマーを振りかぶる。
麻「哀しいけどこれ戦争なのよね!」
麻が日本ブレイク工業さながらの装備で立ち向かう。
ミナ「逃げてぇーーー!」
                ||
   スチールボール    |  .||  |         DaDaDa!ッヌッ!
 ヾ(`Д´)シ        ||  ||  |     〔〔 ( ゚∀゚)
   ( へ)         .∩ | |     ||( つ¶つ¶
    <      、.\″/⌒\ / 、  ┗==))
            ̄ ̄'''' '' ''''''' ' ̄ ̄      ''
_____________
    |_| ケミカルアンカー |_|            DaDaDa!ンダッ!
.    ||  ヾ(゚∀゚)ノ   .||          ヾ(゚∀゚)ノ
.    ||    (  )    .||            (  )
.    ||  /  >    ||            < <
        ダイヤモンドカッター
     ( ゚∀゚)                    DaDaDa!ッヘェー!
     (ヽ□=□))                (゚∀゚)ノ
      > >                  ノ( ヘヘ

359 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 04:46:42.23 ID:jIyC5bwf0
………が。

浦「ダメですね。」

麻「うーん。手加減しすぎたか…?」

ミナ「いや、マーボさんかなり本気だったじゃないですか。ふぅ……でもよかった。壊れなくて。」

浦「っていうか、台座が先にへばっちゃいましたね。」

麻「ああ。しかし、硬い花だこと。」

浦「ですが解った事もあります。まず、多少の無理は利くって事ですね。」

がつん。…きりきりきり…

浦「稼動部分は限られてますが…それぞれのパーツは動くようです。」

麻「こんだけやっても多少ずれるだけで終わっちまうとは。…地下室の片栗は化け物かッ!」

ミナ「破壊活動好きですねー…」

360 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 04:50:15.17 ID:NfLxuO/y0
どう動くかkwsk

361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 04:51:12.17 ID:QsA3swPR0
テキトウにがちゃがちゃ弄ってみる。

362 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:00:58.40 ID:jIyC5bwf0
>>360
浦「どうって……こうです。」

がぁん。きりきり……

ミナ「もう、あんまり叩かないでくださいよー」

麻「んーとだな、出たりひっこんだり。パーツの一個一個がスライドする感じだな。片栗の花びらがそれにあたる。」

ミナ「スパナがいい例ですね。こう、お尻の辺りからヘッドのくびれほうまで動きます。」



363 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:09:05.03 ID:jIyC5bwf0
>>361
浦「これはどうしたものでしょうね。」

麻「とりあえず弄ろうぜ。かちゃかちゃ。」

ミナ「かちゃかちゃ」
麻「かちゃカチャかーちゃかちゃ〜」
ミナ「かちゃっカチャカチャかちゃ〜かちゃー」
麻「そういえばさ、知恵の輪ってあるじゃん。」

ミナ「ありますねー」

麻「俺あれ解けたこと無いんだよな。」

ミナ「ははぁ。」

麻「工業数理とか駆使すれば出来るのかなぁあれ。だったらそれ知恵の輪って言わなくないか?」

ミナ「さぁ…でもあれはあくまで商標でしょう?」

麻「…んー、ダメだ。」

浦「………さっきから、どうしたんですか。」

麻「いやな。…ほら。」
そう言って示したそこには。

ミナ「……中に、何かある…?」

歪んだ花の一部から、内部構造がうかがえた。

364 名前:!omikuji :2006/07/02(日) 05:15:12.16 ID:NfLxuO/y0
内部にあるものを確認しつつ、どこか外れないか更にガシャガシャ

365 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:18:47.02 ID:jIyC5bwf0
浦「ふむ……ミナさん、明かりを。」

ミナ「りょーかいでーす」

ぱち。

麻「手は届かないだろうな。いささか複雑すぎる。時間を取り組もう…とも思ったが、ヒントも無い。
 既に弄くれるだけは弄くったぜ。でも手を入れるほどには広がりそうに無いな。」

浦「ミナさん、もういいですよ。」

ミナ「はーい。」

ぱち。

浦「では私がやってみましょう。これで結構、ささやきのある人間でして。」

続けて、どこはかと無い自信をもって、彼は言い放つ。
マーボ…同業の実力者が挑んで投げたそのオブジェ。

浦「一級潜行士としては実力に見劣りがある私ですが、こういう事態への攻勢には定評があるんです。」

囁きに耳を済ませた。

366 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:26:20.26 ID:jIyC5bwf0
浦小道はちょっと電波な人間である。
最古参の潜行士にして経験者。その実力はいまだ衰えを知らぬものの、
底上げされた業界において彼の一線で占める役割は既にほとんどなくなっている。
しかし、その状態で今なお彼がこのような任務に選ばれるか。

それは彼の生まれもった資質にあるといえる。

それを自覚し知っているのは浦本人とごく近いものだけであり。
技能検定で数値に表れる、空間把握とも三次元思考ともつかない彼の『パズル強さ』あるいは、
『脈絡を外れた、弾道の狂ったピンポイント射撃』は確実に存在する。

彼自身がこれに頼る事は希であるが、しかし試行を重ねた行動にでる結果は、以上のようになるのだ。

ゆえに。

浦「………」

今こうして弄くっているパズルにも、その解答が存在するのであれば、浦にかかって逃げられるものではない。

かちんっ……からからから……。

浦「……どうです。」

ニヤリ。そう笑う浦の目の前で、片栗の花が開き始め……キューブ状のスフィアが現れた。

367 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:29:34.26 ID:jIyC5bwf0
ゴメンwwwwwwww
キューブ状のスフィアとかwwwwwwwww

スフィア→データスフィアです。

368 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 05:35:15.65 ID:Ft8GU9Pg0
――CCにおいて
みさ「はい、はい……了解しました」
敦子「ふぅむ」
愛「んおー?」
敦子「片栗、ねぇ」
愛「どしたの?」
みさ「?」

敦子「撤収指示」
みさ「は、はいっ」

愛「まぁたなんか入ってる。A4C8」

敦子「片栗、か……」

――寂しさに耐えるのか、嫉妬なのか。母ちゃん心配だぞ。

愛「何か言った?」
敦子「……いや?」

369 名前:保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/07/02(日) 05:35:43.64 ID:jIyC5bwf0
浦「…これですかね。」

箱状の防壁を破る。人為的に破ろうとすれば破れる、包装紙的なものだった。

麻「しかし……やるな。手も足も出なかったぞ。」

ミナ「この片栗の花持ってっていいですかー?」

NW、クリアー。

370 名前:二郎剤 ◆h4drqLskp. :2006/07/02(日) 05:39:10.41 ID:Ft8GU9Pg0
えー、まことに申し訳ない次第なんですが、ちょい冗長すぎなんで、形式一気に変更します。
参加してくれた人、申し訳ない。

必ず、読み応えのある物に変えて、やらせていただきます。

……まあ読み物なんだけど。


DAT2HTML 0.33ap Converted.